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日本のFabを先導する研究室、8年の歩み——田中浩也研究室総集展「FabGene まつろわぬ物質」(池尻大橋)

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)田中浩也研究室の学生による展覧会「FabGene まつろわぬ物質」が、2019年3月2日(土)と3日(日)にIID世田谷ものづくり学校において開催される。

田中浩也教授(慶應義塾大学環境情報学部)は2011年に日本初のファブラボである「ファブラボ鎌倉」を開設して以来、他大学に先んじてキャンパスの図書館内に自由に使える3Dプリンターを設置したり、デジタルファブリケーションを題材とした学術会議を主催したりと、日本国内のFabを先導するような取り組みを続けている。

そんな田中教授の研究室に所属する学生が企画したこの展覧会では、「デジタルとフィジカルを横断し、(ほぼ)あらゆるものを作る」というビジョンに基づき、過去8年にわたって制作してきた作品群や、最新のプロジェクトの成果物が展示される。

マテリアルと対話する4Dプリンティング

展覧会の第1部には、物質の色、形、使い方に加え、時間や動きに応じた変化を見込む「4Dプリンティング」をテーマにした作品が並ぶ。

「4D Flower」田岡菜、池田篤士・花岡大輔(JAID 日産デザイン)+ユニチカ 「4D Flower」田岡菜、池田篤士・花岡大輔(JAID 日産デザイン)+ユニチカ

形状記憶機能や水溶性などの特性を持つフィラメントを活用した「4D Flower」は、時間や環境の変化に合わせてゆっくりと咲き、いずれ散っていく花を模した作品だ。ゆっくりとした変化を確かめるために、じっくりと時間をかけて観察してみてほしい。

「TransColor Sphere」大日方伸、高盛竜馬、木下里奈+ミマキエンジニアリング 「TransColor Sphere」大日方伸、高盛竜馬、木下里奈+ミマキエンジニアリング

ミマキエンジニアリングの高精度フルカラー3Dプリンターを用いて制作された球体は、内部の細かな部分までパターンに従った配色が施されている。見る向きに応じて色が変化する光景に、アナログとデジタルが混ざったような奇妙な印象を受けるかもしれない。

デジタルファブリケーションを用いて社会課題と向き合う

第2部では田中研の歴史を振り返りながら、自作の工作機械やソフトウェアに加え、建築分野と看護分野での取り組みについて紹介する。

「FABrick beehive」立川博行、安井智宏ほか 「FABrick beehive」立川博行、安井智宏ほか

大型3Dプリンターなどの機材を活用すれば、住宅の修繕や改築、増加する空きスペースを利用した農作物の育成なども、都市に住む人々の手によって実現できるかもしれない。都市空間における養蜂の新しい在り方を示す「FABrick beehive」は、ビルの屋上で人とミツバチが共生するためのパビリオンだ。

「FabNurse Project」吉岡純希、若杉亮介、竹折かれん、三木芹奈ほか 「FabNurse Project」吉岡純希、若杉亮介、竹折かれん、三木芹奈ほか

高齢化の進む日本では、2025年に病院でのケアが受けられない「看取り難民」が約40万人に到達すると予測されている。病院のみならず、施設や各家庭においてケアを必要とする人の数が増えるなか、住空間をかたちづくる物質の重要性はいっそう増していくだろう。「FabNurse Project」は、より個別できめ細やかになっていくケアの現場をFabの力で支えるため、看護医療学部と協働で進んでいるプロジェクトだ。

早期からFabを研究課題として取り組んできた研究室の活動は、どのような変遷を遂げ、どこに向かおうとしているのか。幅広いジャンルに及ぶ展示物や学生との対話を通じ、Fabの可能性や限界、取り組むべき課題などに思いをはせることができるだろう。

なお、展覧会の開催費用を集めるためのクラウドファンディングも実施されており、2月28日の段階で目標額50万円に対して30万円を超える支援が集まっている(3月6日まで)。

 

田中浩也研究室総集展「FabGene まつろわぬ物質」
日程:2019年3月2日、3日
時間:10:00~19:00(3日は17:00まで)
会場:IID世田谷ものづくり学校 101 Gallery / 211 Studio
入場料:無料
オフィシャルサイト:http://fab.sfc.keio.ac.jp/fabgene/
主催:慶應義塾大学田中浩也研究室

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