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MIT、サブテラヘルツ波を使う高感度センサーを開発——霧や砂塵中でも自動運転を可能に

Image courtesy of the researchers

現在自動運転で利用されている赤外線レーザーベースのLiDARでは、霧や砂ぼこりの中で物体を正確に認識するのが難しいという課題がある。そこで、マイクロ波と赤外放射の間にあるサブテラヘルツ波を使い、視界の悪い環境でも容易に検出できるシステムのプロトタイプをMITの研究チームが開発した。研究成果は2019年2月8日付の『IEEE Journal of Solid-State Circuits』に掲載されている。

開発されたプロトタイプでは、発信器が目的物に信号を送り、跳ね返ってくるサブテラヘルツ波を受信器が受け取り、プロセッサーに出力ベースバンド信号を送信すると、プロセッサーが対象物の画像を再現する。MITのRuonan Han准教授は「サブテラヘルツ波センサーはLiDARを補完する役割を果たす」と述べる。

プロトタイプは「ヘテロダイン検波器」と呼ばれる信号をミックスするピクセルを備えている。従来これをオンチップに高密度で実装することは難しく、現行品では8ピクセルで感度も低いものしかない。ヘテロダイン検波器をディスクリートで構成すると設置面積が大きくなってしまうが、研究チームはアンテナ、ダウンミキサー、オシレーター、カプラを単一のコンポーネントに統合することで、この問題を解決した。プロトタイプは1.2平方ミリメートルの面積に32ピクセルのヘテロダイン検波器を備える。

また、対象認識を高精度に行うため、研究チームは強力な出力ベースバンド信号が得られる分散化設計を採用した。分散化設計では、単一のヘテロダインピクセルが周波数ビート(2つの入力サブテラヘルツ信号間の周波数差)と局所発振信号(入力周波数の周波数を変える電気信号)を生み出す。ヘテロダインピクセルが機能するのは、全てのピクセルからの局所発振信号が同期する場合に限られるため、信号同期技術が必要となる。

集中型設計の場合、一つのハブを通じて局部発振信号を全てのピクセルに共有する。この方式は低周波数帯で使う分には問題ないが、サブテラヘルツ周波数帯で用いると支障がある。ピクセル配列の規模が拡大することで、各ピクセルが共有する電力が減少、出力ベースバンド信号の強度も減少する。その結果、各ピクセルで生成される信号が弱くなり、感度が低くなる。

分散型設計であれば、この規模と感度のトレードオフを解決できる。各々のピクセルがそれ自身の局部発振信号を生み出し、それをカプラが近くのピクセルの局部発振信号と同期させ、各ピクセルはより多くの出力電力が得られる。

研究チームのZhi Hu氏は、「各ピクセルが強力な局部発振電力を生むコヒーレントアレイを作り出した。これにより、高感度センサーを実現できる」とその研究成果をまとめている。

fabcross for エンジニアより転載)

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