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建物の壁が日射に応じて開閉する——「Breathing Facade(呼吸するファサード)」

慶應義塾大学SFC研究所所長/環境情報学部の田中浩也教授が、「Breathing Facade(呼吸するファサード)」のムービーを公開した。

同ムービーはオランダの「4D Printing and Metamaterial Conference 」において発表された研究成果のひとつ。FFF(熱溶融積層)方式の3Dプリンターを使用し、温度に応じて形状が変化する形状記憶ポリマーで「オーゼティックパターン」を造形している。オーゼティック構造とは、応力を加えて伸長/圧縮させると、その応力に対して垂直の向きにも拡大/収縮するもので、一般的な材料や構造と異なり、ポアソン比が負になるという特徴がある。

公開された動画では、温度が30℃近くに達すると パターンが開口し、外の風を内部へと通すように変形する。そして温度が下がると再びパターンが閉じる様子が紹介されている。田中教授によると建物の外壁デザインに利用することで、「夏になると温度と風力で、切れ目が開いて風を招き入れ、秋になると自然に穴が閉じて冬を迎える」ことができ、「電気を使わず自然の力だけで状態変化を実現」できるのがポイントだ。

田中教授は、オーゼティックパターンを用いた理由のひとつとして、「1モジュールの変形が周囲のモジュールにも影響を与えるため変化を反映しやすい構造であることに加え、従来イスラムの建築物のデザインとして使われていた幾何学模様であり、ファサードと親和性が高かった」ことを挙げている。

今回作成したモデルのサイズは100mm角程度、パターン内部のエレメントのサイズはそれぞれがおよそ10mmだ。各モジュールの開閉の様子はあくまで機能検証用のもので、リアルタイムではなく、開閉温度も調整されているという。今後は強固な材料の開発を含め、さらに実証実験を進める予定とのことだ。

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