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レアアースの使用を抑えた高性能磁石を開発

レアアース消費量を軽減できる、強磁性CeCo3単結晶

NASAエイムズ研究センターの戦略物質研究チームが、入手容易なレアアース(希土類)元素を用いた強力な磁石、およびレアアースを全く含まない有望な磁石を考案した。国際政情が不安定化してレアアースの入手が困難になる事態に備えるもので、資源的に比較的豊富なセリウム、または非レアアースの鉄やゲルマニウムを用いて、最強と言われるネオジム磁石には及ばないものの、多くの用途に利用できる磁石を開発した。研究成果は、2019年4月2日にアメリカ化学会(ACS)の2019年春季学会および展示会において発表された。

コンピューターのハードディスクから電気自動車のモーターに至るまで、強力な永久磁石は必要不可欠なものだ。最も強力と言われているのは、レアアース元素を含む磁石、特に(NdDy)-Fe-B系のネオジム磁石であり、1982年に住友特殊金属の佐川眞人博士により発明された。直ちに工業化され、当時の高性能磁石であったサマリウムコバルト磁石を瞬く間に置き換え、大型用途から小型デバイス用途まで幅広く採用されつつある。しかしながら、資源的に希少なレアアース元素であるネオジム(Nd)やジスプロシウム(Dy)の添加が不可欠であり、これらレアアース元素を削減することが重要な課題になっている。

研究チームは、理論計算と実験を組み合わせ、どのような磁性元素と結晶構造が優れた強磁性を実現するか予測する研究を推進してきた。そして、磁性元素である鉄やコバルトなどの合金または化合物に、第3の元素を添加することにより、優れた強磁性材料を作り出すことにチャレンジした。

1つの成果は、セリウム・コバルト系のCeCo3およびCeCo5だ。セリウムは、レアアース元素であるが、豊富に存在し容易に入手できる。理論計算の結果から、常磁性のCeCo3は、マグネシウムを添加させることで強磁性に変化すると予測され、実際に単結晶において強磁性が観察された。もう1つは、もともと強磁性であるCeCo5について、強磁性を最適化する銅と鉄の添加量を正確に求めることに成功した。更に、研究チームは、レアアース元素を全く含まない強磁性の鉄ゲルマニウムFe3Geの特性を、コバルトを添加することで最適化したところ、強磁性パラメータの1つである磁化について、ネオジム磁石に匹敵する特性が得られた。

「レアアース磁石を代替することは、戦略的地政学的な意味にとどまらず、経済的にも環境問題的にも重要だ」と、研究チームを指導するThomas Lograsso博士は語る。「これまでに開発した代替材料は、ネオジム磁石ほど強力ではないが、磁性特性のうちの幾つかのパラメータを選択的に向上しており、特定の用途に対しては極めて価値がある。我々の目標は、特定用途に対して、レアアースに頼らない適正な磁石材料を探すことだ」と、研究の狙いを説明している。

fabcross for エンジニアより転載)

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