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混雑したエアポートで視覚障がい者をガイドするスーツケース——衝突回避支援システム「BBeep」

カーネギーメロン大学(CMU)と日本の研究者は共同で、視覚障がい者が混雑した駅や空港ターミナルビルなどの混雑した場所を一人で歩く際に、周囲の歩行者とぶつかることを回避するシステムを開発した。

「BBeep」と名付けられた衝突回避支援システムは、キャスター付きスーツケースに装備されており、カメラで前方の歩行者を把握、衝突の可能性があると判断すると、その歩行者に対して警告音を鳴らす。

開発に携わったCMUロボティクス研究所のIBM特別功労教授でIBMフェローの浅川智恵子博士は、「アクセシビリティを改善する努力はみられますが、視覚障がい者が一人で空港ターミナルを移動するのは容易ではありません」と指摘する。

BBeepは、ステレオカメラを使って歩行者を検知、深度情報を取得する。歩行者の将来位置の予測(衝突可能性の判断)には、畳み込みニューラルネットワークを使用している。

BBeepの評価実験はピッツバーグ国際空港で行われた。6人の視覚障がい者がBBeepと白杖を持って混雑したエリアを歩き、衝突回避効果が確認された。実験参加者の一人は、「人々は私が近づいていくことに気付き、移動して私に道を空けてくれた」と報告している。

浅川博士は「多くの人は、普通は視覚障がい者に気付くと道を譲ってくれます。しかし、スマートフォンを見ていたり、立ち話やよそ見をしたりしていて気付かないこともあり、ぶつかってしまうこともあります」と話す。実験参加者からは、空港、駅、ショッピングモールなどの混雑した公共のスペースでBBeepを使いたいとの声が聞かれた。

浅川博士は、視覚障がい者のアクセシビリティの向上に関する長年の研究開発が認められ、2013年に紫綬褒章を受章し、2019年には全米発明家殿堂入りを果たしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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