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貼って剥がせる超強力接着剤を開発——カタツムリの粘液がヒント

Illustration: Younghee Lee

ペンシルバニア大学の研究チームは、カタツムリが出す粘液をヒントに、接着と剥離を可逆的に切り替えられる新しい強力接着剤を開発した。乾くとプラスチックのように硬く、濡らすとゴムのように柔らかくなる。研究結果は、2019年6月17日付けの『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載されている。

カタツムリは殻に閉じこもる時、殻の入り口に「エピフラム(Epiphragm)」という粘液でできた膜を張る。周囲が乾燥しているとエピフラムは乾いて固まり、体を乾燥から守ると同時に、体をどこかに固定する役割も持っている。湿気でエピフラムが柔らかくなると、カタツムリは再び顔を出すことができる。

研究チームは、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)も、カタツムリの粘液に似た特性を持つことに気づき、接着剤に応用した。PHEMAは湿っているときは柔らかく、乾燥すると硬くなるポリマーで、コンタクトレンズの材料として使われることが多い。

「表面に広がって硬化すると、強力接着剤のように剥がすことはできない。しかし、もう一度濡らすと、マジックのように簡単に剥がれる」と、チームを率いるShu Yang教授は語る。

その接着力の強さは、PHEMA接着剤で固定したハーネスに、研究室のメンバーがぶら下がっても大丈夫なほどだという。接着剤の範囲は、わずか切手サイズで、可逆性のある接着剤の中では、最も強力な部類に入るかもしれない。貼って剥がせる封筒や、重力に逆らって固定できるブーツなど、家庭用品をはじめ産業分野にも適用可能性がある。

水分量だけで接着と剥離を制御できる反面、不便なこともある。誰しも、雨が降ったら部品が外れるような車には乗りたくないだろう。Yang教授も今回の接着剤は出発点に過ぎないと認めており、pH、特定の化学物質、光、熱、または電気で硬化する可逆性接着剤の開発につなげたいとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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