有明は今年もアツい!——ものづくりの祭典「Maker Faire Tokyo 2019」開催中
国内最大のMakerイベント「Maker Faire Tokyo 2019」が、2019年8月3日、4日の2日間、東京ビッグサイト 西3・4ホールで開催中だ。今年も初日の様子を速報でお届けしたい。
まずは入退場口を入った正面がキッズ&エディケーションゾーン、ここでは今年も多くのワークショップが開催されている。その隣のクラフト&デザインゾーンでは様々な素材を使ったクラフト作品が展示されている。これは丸みのあるレトロデザインのロケットがモチーフの照明。レーザーカットされた美しい木組みは中央で上下に分割でき、中の電球を交換することができる。今後クラウドファンディングを目指すとのこと。
その隣はデジタルファブリケーション&FABコミュニティゾーン。こちらは大阪市立大学大学院工学研究科今津研究室が開発中の車輪付きの杖型ナビ装置。駆動輪はなく、自分のペースで押して歩くことができる。杖の先にステアリング機構があり、進む方角をガイドする仕組みだ。ブレーキ機構とLiDARを搭載したモデルでは、障害物を検知するとブレーキをかけて停まることもできるという。
センターステージを右手に眺めながらスポンサーゾーンを進んでいくと、ロボティクスゾーンがある。今年はバランスや動きなど、制御がすごいと感じる展示が多く、人気を集めている。
こちらは、設計製作で制御から部品加工・外装製作まで、すべてひとりでやったという女性型ロボット。ポーズとバランスのとり方が絶妙で、滑らかな動作にもmakerのこだわりを感じる作品だ。
こちらは、手の動きを真似る5本指のロボットハンド。赤外線ステレオカメラで捉えた指の動きを読み取り、5本指をワイヤーで駆動し動きをシミュレートする。可動域が広く、レスポンスもよい。今後の発展が楽しみな作品だ。
ちょうどお昼時ということもあり、試食に並ぶ人々で結構な盛り上がりを見せていたフードゾーンで見つけたのは、コーヒー豆の自動選別装置。画像認識と機械学習を使って良い豆と悪い豆を自動で選り分けるものだ。生豆をコンベヤで挟んで半回転させ、上下両面の画像を使って選別できよう工夫している。選別するメカ部分にはまだ課題がありそうだが、ブラッシュアップに期待したい。
エプロンをつけたロボットアームが、目玉焼きやトーストを焼いていた。アームの先端を変えながらコツコツと調理してくれる様子は見ているだけでも楽しい。こんなロボットが自宅で朝食を出してくれる日も遠くないかも。
こちらは3色ミックス生地のクレープを自動で焼いてくれるクレープロボット。包む生地を3色にできるなど、ロボットならではの特技といえるだろう。もちろん、味も美味しかったです。
会場は広いので、特にお子様連れの方は休憩しながらの見学をお勧めする。フードゾーンの横、HBゾーンでは毎年恒例の「ヘボコン」が開催されている。デイリーポータルZのブースで、脱力作品を鑑賞するのも、アタマの力を抜くのに良いだろう。「俺のボストンダイナミクス」という作品が醸し出す違和感は、決してボディが黄色くないからではない。
そして、最も多くの展示が集まるエレクトロニクスゾーンで見かけたのは、何とも不思議な球体キーボード。3Dプリンタによる球形フレームにキーを球状に配置してあり、Bluetoothで実際に入力もできる。ただ、ブラインドタッチを習得するのはちょっと難しそう。
テスラコイルは、空芯式共振コイルとスパークギャップを使って高周波高電圧を発生させるもので、よく科学実験のイベントなどで目にすることが多い。こちらは、テスラコイルを使った「演奏」をデモしていた。放電する周波数を制御して、音程を作り出しているのが面白い。
こちらは、正面をハーフミラー、その他の面をミラーで構成したミラーボックス。覗き込むと無限に広がるイルミネーションを作り出す。ミラーボールの位置と発光が徐々に変わっていくので、不思議とずっと見ていたくなる作品だ。
こちらはショートホイールベースのラジコントラック。ボディは、しっかりしたアルミの精密板金で、サスペンションも凝った作りになっている。デザインもものづくりも、製品化を期待したい本格的なトイだ。
Maker Faire Tokyo 2019は、8月3日12:00~19:00、4日10:00~18:00で、東京ビッグサイトにて開催中。東京は最高35℃の予報もでている猛暑なので、暑さ対策を忘れず来場ください!