Raspberry Pi 3A+対応の無停電電源ボード「Pi16340 Smart UPS HAT」
2019/09/09 09:30
Raspberry Pi用無停電電源ボード「Pi16340 Smart UPS HAT」のクラウドファンディングがKickstarterで進行中だ。
Raspberry Piに限らず、停電や電源プラグ外れによる電源断が深刻なトラブルを起こすことは珍しいことではない。作業中のデータが失われたり、プログラムが破壊されたり、最悪の場合にはファイルシステムがクラッシュしてシステムが立ち上がらなくなりクリーンインストールが必要になったりする場合がある。
Pi16340 Smart UPS HATは、こんなトラブルからRaspberry Piを守るために電源が失われた時の緊急停止(ESD)実装を可能にするHATボードだ。Raspberry Pi 3A+対応だが他のモデルでも使用できるという。
Pi16340 Smart UPS HATには2つの動作モードがある。外部電源駆動中の電源断に対応するモード1では、外部電源供給が途絶えたことを検出すると、Power Good信号をLowにしてRaspberry Piに通知し20秒後に電源を切る。この間にRaspberry Pi側はシャットダウン処理を実行して正常終了することができ、データやオペレーティングシステムの損傷を防止できる。
電池駆動中の電池切れに対応するモード2では、外部電源ではなくリチウムイオン電池の電圧が事前に設定した値より低下するとPower Good信号をLowにする。以降の動作はモード1と同じだ。
Pi16340 Smart UPS HATのファームウェアはスパイクなどの電源ノイズを除去するので、あらかじめ設定した秒数以上の電源途絶が起きた場合のみシャットダウンを実行する。
Pi16340 Smart UPS HATは温湿度センサーも搭載しており、データをI2C経由で読み取ることができる。屋外やサーバー室での使用には便利な機能だろう。また、別売の「WROOM32-DONGLE」を使えば、リモートリブートも可能だ。
Pi16340 Smart UPS HATの価格は、85カナダドル(約7000円)。出荷は2019年12月の予定で、日本への送料は11カナダドル(約880円)だ。なお、使用時に必要な3.7V16340リチウムイオン充電池は含まれていないので、注意が必要だ。
Pi16340 Smart UPS HATは2019年10月6日までクラウドファンディングを実施するが、2019年9月9日時点で、目標額800カナダドル(約6万4000円)を上回る約2000カナダドル(約16万円)を既に集めている。