自宅で10インチ盤に音を刻む——アナログレコードカッティングマシン「PHONOCUT」
2019/10/30 09:30
レコード盤のカッティングができる「PHONOCUT」がKickstarterに登場し、わずか7時間で目標額を達成するほど人気を博している。
PHONOCUTは、専用の盤にダイヤモンドの針で音を刻みつけるマシン。従来のアナログレコード製作過程で原盤(ラッカー盤)を作るカッティングと同じ方法で、オリジナルのレコードを自作できる。
操作方法は簡単で、ターンテーブルに溝が刻まれていないブランクの盤を乗せ、3.5mmオーディオミニジャックに音源を接続し、本体のスタートボタンを押すだけ。PHONOCUTが音源を最適化し、溝の幅や深さを自動的に設定してカッティング作業を始める。スタートボタンをもう一度押すと終了する。PHONOCUTでカッティングしたレコードはステレオ録音で、一般的なレコードプレイヤーで再生できる。
クリエイターは、PHONOCUTでカッティングした盤は大量生産プレスされたアナログレコード盤と同様の耐久性があるとしている。開発元のサイトでは、デジタル録音音源、米Scully社のカッティングマシンを使って従来の方法でプレスしたレコード、PHONOCUTでカッティングしたレコードの音を公開しており、3つの音を比較できる。
PHONOCUTで扱える盤のサイズは10インチ。PHONOCUT専用のブランク盤を使う必要があり、他の盤を使用するとPHONOCUTが破損する恐れがあるとしている。回転数は33 1/3回転のみ対応だが、45回転にも対応する計画はあるという。盤の両面にカッティング可能で、収録可能時間は各面10~15分だ。
PHONOCUTのキャンペーン価格は、本体にダイヤモンド針付きカートリッジと専用ブランク盤5枚が付いて1499ユーロ(約18万円)。出荷は2020年12月の予定で、日本への送料は100ユーロ(約1万2000円)だ。専用ブランク盤のキャンペーン価格は、10枚セットで55ユーロ(約7000円)。日本への送料は10ユーロ(約1200円)だ。
PHONOCUTは約20万ユーロ(約2400万円)を目標に、2019年11月15日までクラウドファンディングを実施するが、2019年10月30日時点で目標額の2倍を超える約41万ユーロ(約5000万円)を既に集めている。