新しいものづくりがわかるメディア

RSS


オランダのNPOの自動回収システムが改修を終えて再起動——太平洋ゴミベルトからプラスチックを除去

The Ocean Cleanupは2019年10月2日、世界の海からプラスチックを取り除くためのシステムが機能するようになったと発表した。

The Ocean Cleanupは、オランダの発明家Boyan Slat氏が2013年に設立したNPOで、世界中の海からプラスチックを取り除くための受動漂流システムを設計、開発、5年以内に太平洋ゴミベルトの半分を除去することを目指している。太平洋ゴミベルトは、世界中の海で最大のプラスチックの蓄積地帯とされ、推定表面積は160万平方キロメートルもある。プラスチックによる海洋汚染は環境、経済、健康等の面で大きな問題となっているが、船舶などを使った回収法はコストやエネルギーの視点から否定的な見方が大勢を占めている。

The Ocean Cleanupが開発するのは、海流に乗って漂流し、漂うプラスチックゴミを捕らえて回収するようにデザインされた、全長600mのパッシブ回収システムだ。ゴミの回収に外部エネルギーを使わないのがポイントで、フローターがシステム全体に浮力を与え、スカート部分でゴミが下に逃げることを防ぎ、ゴミの回収機構に導く。

ところが初期のSystem 001では、一旦は捕らえたプラスチックをシステム内部に保持できず再流出させてしまい、さらに構造上の問題から疲労破壊を起こしてフローターが分離してしまうといった問題が発生し、ゴミを回収することなく機能停止していた。

今回、2度目の試みとなるSystem 001/Bは、これらの課題を解決するための設計変更が加えられた。特に、システムとプラスチックの速度差のばらつきを修正することを目指した。パラシュート式シーアンカーでシステムの速度を落とすことで一定の速度を保ち、高速で移動するプラスチックゴミがシステムに流れ込むようにした。また、プラスチックが波と共に越えてしまう現象に対しても、フロートの浮力を調整することで効率的に回収できるようにした。System 001/Bでは、これらの新しい設計によってパフォーマンスが改善され、大きなプラスチックゴミや、商業漁業で破棄された漁獲網に加え、大きさ1mmのマイクロプラスチックを捕らえるのに成功した。

同NPOは今回の実験成功から得られた知見を活かし、次の海洋浄化システムのSystem 002の設計を開始するとしている。これは、長期間にわたるプラスチック回収にも耐え、保持できる完全なクリーンアップシステムになる予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

今人気の記事はこちら

  1. 昭和のオーディオ界が激震した究極のアナログテープメディア「TDK MA-R」「TDK MA-XG Fermo」「SONY Metal Master」「Maxell Metal Vertex」
  2. CQ出版、「ラズパイ×ArduinoでI/O! LabVIEWコンピュータプログラム集」を刊行
  3. Raspberry Piで電子工作を楽しもう——ソーテック社、「これ1冊でできる!ラズベリー・パイ 超入門 改訂第6版」発刊
  4. 枝豆の選別とキュウリの等級判別でディープラーニング開発を体験——CQ出版が「IT農家のラズパイ製ディープ・ラーニング・カメラ」を刊行
  5. CQ出版、「ラズパイで作る ブロックチェーン暗号コンピュータ」を刊行
  6. 新しい金属3Dプリント手法を開発——超音波で合金を強化
  7. サンワサプライ、トルク調整機能付ペン型電動精密ドライバー「800-TK045」発売
  8. エレクトロニクスの「回路観」を身につける——オライリー・ジャパン、エレクトロニクスの入門書「Make: Electronics 第2版」発刊
  9. 太陽光で二酸化炭素をクリーンな燃料に変える——人工光合成向けの触媒を開発
  10. トップデザイナーの脳内覗いてみちゃう??——「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」(六本木)

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る