特殊開発フィラメントで電子部品をプリントできるFFF方式3Dプリンター「eForge」
2019/11/05 17:00
センサーなどの電子部品をプリントできるFFF方式3Dプリンター「eForge」がKickstarterに登場し、注目を集めている。
eForgeは、独立して動作する8基のエクストルーダーから電子素子の材料となるフィラメントを押し出し、センサーなどの電子部品を作れる3Dプリンター。従来、3Dプリンターは、ケース、ハウジング、ボディなどを造形するためだけに利用され、電子回路などは後から造形物に取り付けるのが一般的だったが、eForgeを使えば電子回路とケースが一体化した物品を作ることができる。
NASAも出資して開発された特許取得済みの電子材料フィラメントは、導電性、絶縁性、容量性、抵抗、N型半導性、P型半導性という特性を有する6種類。導電性の特性を持つフィラメントのみ3.0mm径で、他の5種類は4.0mm径だ。エクストルーダー8基のうち6基は、これらの電子材料フィラメント用に割り当てられる。残り2基のエクストルーダーは、PLA、ABSなど一般的な3.0mm径フィラメント用だ。
eForgeを使えば、圧力センサーや温度センサーなどさまざまなセンサーを一体成形できるだけでなく、手袋やシャツのような布製品の表面にセンサー類を3Dプリントして作り上げることもできる。
eForgeの大きさは19.2×29.5×23.2インチ(約488×749×589mm)。電源電圧は100~240Vで、最大消費電力は360Wだ。造形サイズは7.85×11.8×10.75インチ(約200×300×273mm)で、解像度は20μm。造形速度は1~80mm/秒だ。
eForgeの早期割引価格は、4799ドル(約52万円)。出荷は2020年8月の予定だが、出荷先は限られており、日本は含まれていない。
eForgeは6万ドル(約650万円)を目標に、2019年11月22日までクラウドファンディングを実施するが、キャンペーン開始からわずか3時間で目標額を達成し、2019年11月5日時点で目標額の2倍を超える約14万ドル(約1500万円)を既に集めている。