ウェアラブルデバイス「THINKLET」を共同で現場導入——フェアリーデバイセズとダイキン工業、作業効率と作業品質を向上させる取り組みを開始
2019/11/22 15:00
ダイキン工業と東大発ベンチャーのフェアリーデバイセズは、空調機の保守点検やメンテナンスなどのサービス業務におけるコネクテッドワーカーの創出を通じて、作業効率と作業品質を向上させる取り組みを共同で開始する。
今回の連携では、フェアリーデバイセズが開発したスマートウェアラブルデバイス「THINKLET」およびテクノロジースタックと、ダイキン工業が開発した業務支援Webアプリを組み合わせ、熟練したサービスエンジニアが遠隔地の作業者をサポートして教育できる遠隔作業支援ソリューションを開発予定だ。
THINKLETは作業内容や現場の状況を遠隔地と共有でき、作業に関する全ての情報をデータ化することで、作業者の記憶や知識の再活用を可能とするウェアラブルデバイスだ。
5個のマイクを搭載し、装着者の声のみならず、対面者の音声もクリアに収集できる。高精度エッジAIライブラリ「mimi XFE」を搭載し、騒音環境下でも高性能な音声認識が可能だ。
800万画素の広角カメラを搭載し、詳細な作業映像の収集にも対応する。 Wi-Fi/4G LTEを搭載し、常にクラウドに接続し業務データの収集が可能だ。USB Type C端子を搭載し、スマートグラスやウェアラブルセンサーなどとの連携にも対応しており、防水防塵性能(IP54)も備えている。
一方ダイキン工業は、THINKLETを装着した作業者が遠隔地の熟練者の指導や助言を得られる業務支援Webアプリを開発し、経験の浅いサービスエンジニアでも作業フローや使用部材の管理方法、環境負荷低減のための冷媒量管理方法、故障診断のポイントなどを迅速/的確に把握できる遠隔作業支援ソリューションを構築する。
業務支援Webアプリ(GUI)の利用により、THINKLETやパソコンなどを用いて遠隔地で作業する最大5名のサービスエンジニアを同時に支援できる。現場での作業内容や、遠隔から支援した内容をもとに蓄積した作業履歴の確認も可能だ。
現場のサービスエンジニアが装着したTHINKLETで収集した映像や音声データが、支援者のパソコンやタブレット、スマートフォンにリアルタイムで送信される。支援者は、口頭での助言だけでなく、送られてきた映像の必要な場面の静止画に指示を書き込み、現場の作業者が持つタブレットやスマートフォンに送信できる。
現場作業の映像や、支援者が指示を書き込んだ静止画に加え、リアルタイムでテキスト化された会話の内容をデータベースに自動で格納。現場ごとの対応履歴が確認でき、同様の作業が必要な場合の参考などに活用できる。
今後は現場作業の品質向上や作業者の負担軽減を目指し、以下の機能を拡充予定だ。
- 実装予定のリアルタイム翻訳機能を活用し、支援者と現場作業者それぞれの言語に合わせた会話やテキストを表示する機能
- 機器の映像や会話の音声データをAIが解析し、作業報告書を自動で作成する機能
- 現場作業前と後の画像を解析し、復旧を自動で確認する機能
- 支援者のAI化により支援業務を一部自動化する機能