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熱伝達を最適化して造形品質向上——3Dプリンター用ホットエンド「Copperhead Hotend」

FFF方式3Dプリンター用ホットエンド「Copperhead Hotend」がKickstarterに登場し、出資を募っている。

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Copperhead Hotendは、フィラメントへの熱伝達を最適化することでフィラメントの詰まりや造形精度の低下などのトラブルを低減し、3Dプリンターのパフォーマンスを高めるホットエンドだ。

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プラスチックは、固体から加熱されると、液体になる前に、ゴム状の柔らかい状態になる温度がある。この温度はガラス転移温度(TG)と呼ばれているが、ノズルで溶融される前のフィラメントが、伝熱によりTGを超えてしまう部分がゴム状になり、フィーダーに押されることで変形し、これが解像度の低下や詰まりの原因となる。

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これを防ぐため、一般的にフィラメントはヒートシンクに囲まれたヒートブレークによって熱から守られながらノズルへと送られている。Copperhead Hotendのヒートブレークは、サーマルイメージングを使いデザインされており、TGを超えてゴム状になるフィラメントの長さを極力短くすることでトラブルを低減し、3Dプリンティングの品質を高めるというものだ。

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素材には強化銅合金のホットブロック、ヒートブレークに冷間加工ステンレス鋼、ヒートシンクに航空機グレードアルミニウムを使用する。定格温度は450度で、RepRapスタイルのノズルに対応する。

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また高さ調整機能を備え、さまざまな3Dプリンターに搭載できるマウンティングオプションも用意している。データはオープンソースで、国際ライセンス(CC BY-SA 4.0)により公開している。

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Copperhead Hotendは、「The Slice Swag Package」として149ドル(約1万6200円)で提供する。パッケージの内容は、ホットエンド、ヒートシンク、冷却ファンと留め具、窒化ホウ素サーマルグリース、50Wハイパワーヒーターカートリッジ、450度サーミスタ、Vanadiumノズル(0.4mm)、カラビナ、Tシャツ。2020年3月の出荷を予定しており、日本への送料は30ドル(約3260円)だ。

Copperhead Hotendは、2020年1月2日までクラウドファンディングを実施中。12月25日時点で、3万ドル(約326万円)の目標額に対して約2万2000ドル(約240万円)を集めている。

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