村田製作所、ハプティクス技術を提供するミライセンスの買収を発表——産業領域への「3D触力覚技術」の活用を狙う
2020/01/07 10:30
村田製作所は、ハプティクス・ソリューション技術を提供するミライセンスを買収し、完全子会社したと発表した。
ミライセンスは、産業技術総合研究所により確立された脳科学ベースのハプティクス技術を開発するスタートアップ。皮膚刺激により人間に脳内錯覚を生じさせることで知的錯覚を発生させる「錯触力覚」を使い、引っ張られる、押されるなどを感じる「力覚」、接触や堅さ・柔らかさを感じる「圧覚」、表面の触り心地を感じる「触覚」の3つを組み合わせて、リアルな感触を実現する「3D触力覚技術」の開発を進めている。
同社のハプティクス・ソリューション技術は、従来の物理工学ベースとは異なり、任意の振動波形を用いて脳に錯覚を起こすことで、人にさまざまな質感や感触を知覚させる。VRゲームなどのデジタルコンテンツ上で表現される物の柔らかさや手触りなどを現実で触れているように感じさせることができる製品を、小型かつ低価格なハードウェアで実現している。
村田製作所は今回の買収により、これまで各種センサーやアクチュエーターで培ってきたデバイス設計技術と、ハプティクス・ソリューション技術とのシナジー効果により、独自性のある製品やサービスの提供を目指すとしている。