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サッカークラブのリバプールFC、試合分析にデータサイエンスを活用——効果は絶大でプレミアリーグ首位を独走中

イングランドのプレミアリーグ名門クラブであるリバプールFCは、試合分析にデータサイエンスを駆使して大きな効果を上げている。

今シーズン(2019-20シーズン)だけで、プレミアリーグでのリバプールの被ゴール数は最も少なく、2番目に少ないクラブチームと比べると7本少ない。リバプールは、これはチームのピッチコントロール能力によるものだとしている。他のクラブチームもデータ分析はしているが、リバプールのように、詳細に分析したデータを具体的に取り入れ、試合中の意思決定や処理能力をトップレベルにまで引き上げているところはほとんどない。

リバプールが「ピッチコントロール」と呼ぶ手法では、ボールを支配する選手の位置、ピッチ上で自チームの選手がアクセスできるゾーン、相手チーム側が支配するゾーンなどがカラーグラフィックで表示され、自チームの選手がアクセスできるゾーン内にいるチームメイトへのパスが最善だと選手はアドバイスされる。

Source: Liverpool FC Source: Liverpool FC

天体物理学者でもあるリバプールのデータサイエンスチームスタッフのTim Waskett氏によれば、試合中のシュートやパスなどのイベントデータと追跡データを結合することで、ピッチ上での各選手の動きがシュート成功率にどう影響するかを把握できるようになるのだという。

Source: Liverpool FC Source: Liverpool FC

2020年1月27日時点で、リバプールが今シーズン中に受けた枠内シュート数は55本に過ぎず、リバプールの次に少ないチェルシーより10本少なく、マンチェスターシティが受けた枠内シュート数70本と比べると15本も少ない。

リバプールが閉ざされたドアの向こう側でどれだけのものを発見したのかは分からない。しかし、このクラブチームが2019年FIFAクラブワールドカップを制した世界王者であり、プレミアリーグでは2018年5月の対チェルシー戦での敗戦以降、1敗しかしていないことを考えると、データサイエンスがもたらすわずかな優位性が、ピッチでの結果に劇的な影響を与えていることは想像に難くないだろう。

fabcross for エンジニアより転載)

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