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IoT型胎児モニターで遠隔妊婦検診——北海道・弟子屈地区にて「周産期遠隔医療システム」が運用開始

モバイル型遠隔胎児モニターを活用した「周産期遠隔医療システム」実現に向けた遠隔医療プロジェクト「ましゅうっこプロジェクト」が、北海道・弟子屈地区でスタートした。

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本プロジェクトは、北海道庁、自治体と産婦人科非標榜医療機関が妊婦健診に関する契約を締結し、産学官連携で運用するものだ。プロジェクトによると、弟子屈町内には産婦人科がなく、現在妊婦は70~80km離れた病院に1時間以上かけて通院しているという。2人目以降ではさらに負担が大きくなり、同様の事態は同地区のみならず北海道全域でも課題にもなっている。

今回開始したのは、産婦人科のいない北海道・弟子屈町の摩周厚生病院から、産婦人科がいる70km以上はなれた釧路赤十字病院か網走厚生病院に胎児モニタリング情報を送信して、共同で妊婦健診を行うプロジェクトだ。

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オンラインのシステムは、メロディ・インターナショナルが開発したモバイル型遠隔胎児モニター「分娩監視装置iCTG」と、ボーダレスビジョンが提供する医療用映像通信システム「キズナビジョン」を連携。インターネット回線を使用して運用する。スタート時は、上記の釧路および網走の病院に通う弟子屈町の疾病のない妊婦を対象に、26週、30週、34週目の妊婦健診を実施する。

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分娩監視装置iCTGは、胎児の心拍と妊婦のお腹の張りを計測するデバイス。お腹にセンサーをあてて計測すると、Bluetooth接続でスマートフォンやタブレットのアプリケーション内に結果が表示され、医師の診断に活用できる。

今回の試みにより、妊婦の検診時等の負担を軽減すると共に、検診時の待ち時間短縮や医師の業務量低減にもつなげる。さら出生率向上にもつなげるという。

2020年4月以降「どさんこプロジェクト」として、札幌医科大学、旭川医科大学と連携して全道へ拡大していく計画だ。さらに日本全国で同様の課題を抱える地域にも拡げていくとしている。

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