3D高速イメージングやAIを活用した子宮頸がん細胞診、実用化に向け医療機関との共同研究開始
2020/02/28 13:00
診断機器などを開発するベンチャー企業であるCYBOとがん研有明病院は、3D高速イメージング技術やAIを活用した新しい細胞診装置の開発を進めるための共同研究を開始した。
子宮頸がんは、日本の若い女性の間で罹患率が上昇している。治療が遅れると子宮を摘出しなければならなくなることもあるため、ワクチンによる予防や検診による早期発見が重要となる。
日本ではワクチンの接種率が低いので、細胞診による子宮頸がん検診が重要な役割を担うが、検診の受診率は2013年の時点で32.7%と、十分に高いとは言えないのが現状だ。
そのため、今後は受診者数が増加し、子宮頸部細胞診の検体数が増加する見通しだ。そうなると、細胞診断に携る細胞検査士や細胞診専門医の大幅な負担増が予想され、その結果として検査の精度が低下する懸念がある。
そこでCYBOが開発しているのが、多量の細胞診検体を高速で3D撮像し、AIで自動解析する高速自動3D顕微鏡システム「SHIGI」だ。
本共同研究では、SHIGIをがん研究会有明病院の細胞診部に設置し、同院の細胞診検体を用いた評価試験や技術改良を実施する。これにより、AI細胞診システムの実用化を進め、子宮頸がんの早期発見に寄与することを目指すとしている。