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重度の火傷でも傷跡が残らない、皮膚を直接プリントできる携帯型医療器具を開発

photo by Daria Perevezentsev

カナダのトロント大学の研究チームは、重度の火傷の治療に利用できる新しい医療器具として、皮膚用のハンドヘルド3Dプリンターを開発した。火傷の大きさや形状に関わらず、でこぼこしている場所にも人工皮膚を傷口に直接「プリント」することができる。研究結果は、2020年2月4日付けの『Biofabrication』に掲載されている。

重度の火傷の治療では、自身の健康な皮膚を移植する方法が一般的だ。しかし、火傷の深さや範囲によっては、移植が難しい場合がある。また、動物由来のコラーゲンや自家培養表皮を利用する方法もあるが、理想的とはいえないと、研究チームは説明する。

今回研究チームは、皮膚の再生を促進する間葉系間質細胞と、血液凝固に関わるタンパク質のフィブリンをベースとしたバイオインクを開発した。ディスペンサーの先端には、安全のため使い捨てのマイクロ流体プリントヘッドを取り付け、ソフトホイールで制御することで、傷口が平らでなくてもプリントできるようにした。

表皮の下の真皮にまで達した火傷に対する効果を確認するため、ブタの皮膚を使って実験し、「皮膚シート」を均一、安全かつ確実に貼り付けることに成功したと、研究チームは語る。

従来の治療法と比べて治りも良く、傷口の炎症、傷跡、収縮が減少したという。研究チームは、今後5年以内に医療現場でハンドヘルドの皮膚用プリンターが使われるようになると見込んでいる。

fabcross for エンジニアより転載)

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