Sub-1GHz無線対応の多機能ツール「Flipper Zero」
2020/08/25 15:00
Sub-1GHz無線対応の多機能ツール「Flipper Zero」がKickstarterに登場し、わずか8分で目標額を達成して、目標額をはるかに超える資金を調達するほど人気を集めている。
Flipper Zeroは、Sub-1GHz(300~348MHz/387~464MHz/779~928MHz)無線、RFID(125kHz)、赤外線通信機能を搭載した小型デバイス。IoTデバイスの制御、EM4100対応RFIDカードの読み取り、赤外線リモコン、U2Fセキュリティキーなどさまざまな用途に使用することができる。
Flipper Zeroは、マイクロプロセッサーにSTM32(Cortex-m4/80MHz/128KB SRAM/Flashメモリー1MB)を採用している。ファームウェアはオープンソースで、GitHubで公開される。ユーザーは公開されるファームウェアを元に、独自プラグインを作ったり機能を拡張したりできる。
無線モジュールにはTI CC1101を採用しており、独自プロトコルやデコーダーなどのワイヤレスアプリケーションを書くことができ、IoTデバイスなどとの接続に使用できる。また、ポピュラーなリモコンアルゴリズムのデコーダーが組み込まれており、不明な無線システムのプロトコルを調べることも可能だ。
Flipper ZeroはGPIOピンも備えており、他のデバイスをGPIO接続してFlipper Zeroのボタンやディスプレイを使うこともできる。また、背面には1-Wire通信用のパッドがあり、iButtonキーの読み取りや書き込み、キーのエミュレーションなども可能だ。USB Type-Cポートも備えており、ファームウェアの更新や入力デバイスのエミュレートなどもできる。
Flipper Zeroの大きさは39×98×24mmで、重さは140g。ディスプレイは128×64ピクセルのモノクロLCDだ。Sub-1GHzアンテナは本体左端に、RFIDアンテナは背面に配置されている。電源は2000mAhリチウムポリマー電池で、バックライトオフの状態で最低7日稼働するという。
ディスプレイに表示されるイルカのキャラクターは、Flipper Zeroを使ってデジタルシステムとやり取りしていくと、往年の育成ゲーム「たまごっち」のように成長し、次第に個性を見せるようになるという。
Flipper Zeroの早期割引価格は、119ドル(約1万2600円)。出荷は2021年2月の予定で、日本への送料は確定していない。
なお、Flipper Zeroの無線機能を日本国内で使うには、技適(技術基準適合証明・認定)を取得し技適マークが付されていなければならないので、注意が必要だ。
Flipper Zeroは6万ドル(約640万円)を目標に、2020年8月29日までクラウドファンディングを実施するが、2020年8月25日時点で目標額をはるかに超える約410万ドル(約4億3500万円)を既に集めている。