ドローンをわずか5分でフル充電できる新技術を発表
2020/09/01 11:00
イスラエルのStoreDotは、2020年7月29日、ドローンを5分でフル充電できる新技術を発表した。StoreDotは、「FlashBattery」と呼ばれる超高速充電(ultra-fast charging: UFC)技術を開発していることで知られるベンチャー企業だ。これまで充電時間が1時間かかっていたところを5分にまで短縮したことで、完全自律型ドローンによる配送の実現に一歩近づいたようだ。
昨今の商用ドローンの充電には通常60〜90分かかり、フル充電しても飛行時間は30分強だ。つまり、現在のドローンは、飛行している時間よりも充電ステーションに留まっている時間のほうが長く、ドローン活用の妨げになっている。その解決策として、1回飛行するたびにバッテリーを交換することが提案されているが、これはコストがかかるだけでなくバッテリー交換に人手が必要となり、ドローンを使う利点の1つである自律運転の障壁となってしまう。
また、人が充電作業に関与する場合、充電ステーションの設置場所も人がアクセスしやすい所に制限されてしまい、ドローンを使用できる範囲が限られてしまう。過酷で危険な地形での利用こそがドローン利用のメリットであるにも関わらず、その利点を十分に生かせずにいた。
今回、ドローン向けに開発されたUFCはフル充電までにかかる時間を5分に短縮するが、エネルギー密度とのトレードオフはほとんどないので、飛行時間はほんのわずか短くなる程度だと発表されている。総運用コストを考えると、既存のドローンバッテリー技術と競合する価格帯での実用化が見込めるという。既にサンプルはドローンメーカーがテスト利用できるようになっており、完全な商品化は2020年末に予定されている。
(fabcross for エンジニアより転載)