新しいものづくりがわかるメディア

RSS


Amoeba Energyとベクトロジー、組合せ最適化問題を高速に解く「アメーバコンピュータ」開発

Amoeba Energyとベクトロジーは、代表的な組合せ最適化問題である充足可能性問題を従来型コンピューターより高速に解けるハードウェア型「アメーバコンピュータ」の共同開発に成功したことを、2020年9月28日に発表した。

photo

同社によれば、物流や通信などの社会システムで最適な資源分配パターンを導く組合せ最適化問題は、システムサイズが大きくなると組合せ爆発を起こし、世界最速スパコンでも解けないほどに複雑化する。近年、量子コンピューターやそれに着想を得たアニーリング方式による最適化ソリューションの提案が相次ぎ注目を浴びているが、実社会のアプリケーションを同方式のハードウェアで扱えるイジングモデルに落とし込んで定式化するには、高度な専門知識の提供や技術的制約の解決が必要だ。

アメーバコンピュータは、アメーバ生物が効率的に最適パターンに変形する振舞いを数学的にモデル化したアメーバ型組合せ最適化アルゴリズムと、FPGAコンピューティングのノウハウにより、開発したもの。論理的制約条件の集合として様々なアプリケーションを表現する定式化が既になされている充足可能性問題(Boolean Satisfiability Problem; SAT)について、独自にモデル化したアルゴリズム「AmoebaSAT」を使って解を出すものだ。

このモデルは、多数の素子の並行的状態更新と確率的動作を再現できるアーキテクチャを前提に設計されており、従来の半導体技術で構築されるFPGAをハードウェアとして用いながら、AmoebaSATの並行的、確率的プロセスを実装することに成功した。

PALTEK製FPGA基板「M-KUBOS」上で実装され、参入ハードル、導入コスト、消費電力を低く抑えることができ、クラウドサービス、エッジコンピューティング、IoT、組込みシステムなどのアプリケーションに展開することが可能だ。技術的詳細は、2020年10月中旬以降に公表するとしている。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

今人気の記事はこちら

  1. リチウムイオン電池より4倍高いエネルギー密度のリチウム空気電池を開発
  2. 手回し式靴下編み機を作って靴下を編んでみた
  3. ラズパイオシロを自作しよう——Raspberry Pi Pico用オシロスコープ基板DIYキット「PL2302KIT」
  4. 航続距離1000kmのeVTOL「Vertiia」が初の飛行試験に成功
  5. 基板のパターンが109キーボードの配列──はんだ付けだけで自由にキーボードを自作できる「FLINT キーボードを作ろうぜ!キット2」
  6. 最大1200×1200mmの大型加工も可能——ポータブルCNCロボット「Cubiio X」
  7. OKIマイクロ技研、従来の約2倍の高トルク小型モーター「Thumbelina」を開発
  8. スペクトラム・テクノロジーがRaspberry Piを使いWi-Fi 6Eに対応した「WiFiプロトコル・アナライザ V2」を販売開始
  9. OpenAI、チャットボットのChatGPTと文字起こしのWhisperのAPIを提供開始
  10. 金属加工が可能なレーザーマーカー「LM110C」に100Wモデルが登場

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る