毎年恒例のMakerイベント「Maker Faire Tokyo 2020」、オンサイト/オンラインで開催中 #MFTokyo2020
Maker Faire Tokyoという名称で開催されるようになって9回目を迎えるMaker Faire Tokyo 2020。新型コロナ禍の中、開場時間も短縮して参加者規模も例年の半分程度とし、感染防止対策実施の上での開催となった。オンサイト会場の東京ビッグサイト西4ホールから、当日レポートをお届けする。
会場に入ると最初はおなじみの「キッズ&エデュケーションゾーン」。例年いろいろな体験型イベントでとても賑わっているゾーンだが、今年は展示のみと、すこし寂しい感じもするが致し方ない。そんな中でも、ひと際目をひくのが白い恐竜「うちのシロ」。中に人が入って動かせるのだが、バランスも良い感じに仕上がっている。新型コロナの自粛期間中に制作したとのことだ。
次の「クラフト&デザインゾーン」では、恒例の乙女電芸部の展示。今年は残念ながらクラフトの華ともいえるワークショップは開催できず、キットで提供するとのこと。アルコール消毒でベタベタになりがちな手でも確実にスマホが操作できるタッチペンだ。
こちらは、インドアなのにアウトドア感あふれる「オトナのママゴト」。連れ出せる暖炉「DAN+RO」、コンロのように使えるキャンドル「CAN+RO」など、金属加工メーカーとコラボして製品化しているという。小物ながらしっかりとした作りの逸品だ。
今年はコンパクトな展示なので、作品を一つひとつじっくり見ることができる。次の「モビリティゾーン」には、折りたたんでデスクの下にも収納できるという「タタメルバイク」。箱型フレームにハンドルとシート、前後輪が格納できるというデザインだ。ライトやウインカーなど保安部品もついており、将来的にはナンバー付で公道走行させたいとのこと。
ファブラボ品川は、「作業療法士のいるファブラボ」だ。様々なデジタルツールを使い「作業療法 × デジタルモノづくり」をテーマに制作した、色も鮮やかな自助具の数々が展示されている。
今回展示の大半を占めるのが「ロボティクスゾーン」と「エレクトロニクスゾーン」。今年は高校生を対象とした国際ロボコン大会「First Robotics Competition(FRC)」も中止となってしまったが、FRCに向けてRAIJINboticsが製作したロボットが展示されている。来年は別の課題となってこのロボットの活躍は見られないかもしれないが、くじけずにチャレンジし続けて欲しいと思う。
こちらは、歯車とリンクを組み合わせた「機械式」コンピューター。 0と1を組み合わせて動かすことで論理演算ができる。情報処理の教科書に書いてある説明がそのまま実物になったような展示だが、何よりもメカのデザイン、造作が美しい。
Fabcrossでもアグリテックのニュースを紹介することが増えてきたが、こちらは実際にきゅうりを育てる農家の方が制作したという、農作業をサポートする自動運転ラジコン(ドンキーカー)。制御にはRaspberry Piを使い、搭載したカメラからの画像をAI処理している。
品川ゆかりのメイカーたちがつどう品モノラボは、メイカーらしい新しい花の観賞「Kagebana(影花)」などオシャレな展示もあったが、どうしても気になったのが、ものづくりあるあるを集めた「メイカーかるた」。一度はやったことがあるフレーズで、内輪ウケ間違いないだろう。
これはレジ横に置いてあって、会計するときに何となく手を伸ばしてしまう、あのキャンディかと思いきや、音楽に合わせて光るスペクトラムアナライザーでした。キャンディは3Dプリント製で、中にLEDが組み込まれているので、食べられません。
一番奥の「ミュージックゾーン」のほぼ中央あたりに、fabcrossで「バラしてみたらオドろいた」家電分解ジャーニーを連載中の大江戸テクニカ氏のコーナーがある。取材時には、ラジカセを分解した部品を使い、カセットテープを使ってターンテーブルを回すようにDJプレイに没入していました。先日レコードがCDの売り上げを再び上回ったという報道があったが、カセットテープにもぜひエールを送って欲しい。
例年のような夏の暑さも、人とぶつかりそうになる混雑もなく、落ち着いた展示となったMFT 2020だが、展示と展示の間隔をあけたり、入場者の体調チェックなど、細やかな対応でコロナ禍のなか開催することができた。関係各位の努力に感謝したい。なお、10月4日のチケットは10:00〜12:00/12:00〜14:00/14:00〜15:00で各回枚数限定、会場での販売はなく、Loppi端末で4日14:00まで購入可能だ。