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唐辛子型ポータブルデバイスでカプサイシンの含有量を測定し、スマートフォンで表示

Credit: Adapted from ACS Applied Nano Materials 2020, DOI: 10.1021/acsanm.0c02079

タイのプリンスオブソンクラー大学(PSU)の研究チームがカプサイシン含有量を測定できるポータブルデバイス「Chilica-pod」を開発し、その研究詳細がアメリカ化学会の『ACS Applied Nano Materials』誌に2020年9月9日付で掲載された。

唐辛子に含まれるカプサイシンは、スパイシーな風味だけでなく、抗酸化作用や発がん性抑制、抗炎症作用などの健康上の利点を持っているとされており、近年では食品添加物や医薬品としての需要が高まっている。しかし、唐辛子や食品サンプルに含まれるカプサイシン含有量を計測するには高価で大規模な測定機器が必要で、計測に時間がかかることが課題だった。

Chilica-podを開発したのは、PSUのWarakorn Limbut准教授を中心とする研究チームだ。カプサイシン含有量をシンプルかつ正確で安価に測定する方法を開発して既存の問題を解決したいとの考えが、Chilica-podの開発動機となった。

このデバイスは小さな唐辛子の形を模してデザインされており、スマートフォンに直接接続すると分析結果を表示できる。

紙ベースの電気化学センサーを搭載しており、導電性を向上させるためにセンサー部分には窒素原子を塗布したグラフェンナノプレートが用いられている。カプサイシンを検出すると酸化反応と還元反応によって電流が発生し、この電流量を検出することでカプサイシン含有量を測定する仕組みだ。

研究チームは、センサーのテストとして6つの乾燥唐辛子サンプルを使用。エタノールを含む溶液に唐辛子サンプルを溶かし、その溶液を用いてカプサイシン含有量測定テストを実行したところ、カプサイシン濃度を7.5~90マイクロモルの範囲で正確に測定した。また、希釈したサンプルによるテストでの検出限界は0.37マイクロモルだった。

センサーの回収率は89.3±0.3~106±2%で、研究チームは紫外可視分光法(UV-Vis)を用いて得られた結果との間に有意な差は認められなかったとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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