ロボットや関連技術などを表彰する「第9回ロボット大賞」開催、ファナックが経産大臣賞に
2021/03/12 17:30
経済産業省と日本機械工業連合会は2021年3月11日、ロボットをはじめ、ロボットに関連するビジネス/社会実装、ロボット応用システム、要素技術、高度ICT基盤技術、研究開発、人材育成を表彰する「第9回ロボット大賞」の受賞者を発表した。
ロボット大賞は、ロボット技術の発展やロボット活用の拡大などを促すため、経済産業省や日本機械工業連合会などが中心となって開催しているものだ。全部門全分野を受賞対象とする経済産業大臣賞をはじめ、高度ICT基盤技術が対象の総務大臣賞、介護や医療などが対象の厚生労働大臣賞、農林水産業や食品産業が対象の農林水産大臣賞など、さまざまな賞がある。
経済産業大臣賞は、ファナックの産業用ロボット「協働ロボットCRX」に決定した。協働ロボットCRX は、「安全、使いやすい、壊れない」をテーマに、内蔵センサーによる接触停止機能や、アームを直接操作するダイレクトティーチを備えるほか、タブレット操作でアイコンをドラッグ&ドロップする直感的なプログラミングが可能だ。
総務大臣賞には、GROOVE Xの家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」が選ばれた。ノンバーバルなコミュニケーションを採用したコミュニケーションロボットで、従来のロボットのような人の仕事の代わりはせず、抱き上げた時の体温を再現し、複数のカメラやセンサー、AIを通じて脚部のホイールで移動する。人や動物の姿を模した形をしていないことで、模倣による愛着度の低下を軽減していることに加え、月額でサポート料金を設定することで、本体価格を安価にしていることも特徴だ。
厚生労働大臣賞を受賞したのは、FUJIの移乗サポートロボット「HUG T1-02」だ。介護の現場において、ベッドから車椅子、車椅子から手洗い場といった座位間の移乗動作や、脱衣場での立位保持をサポートする。同社従来製品からデザインを一新し、価格/操作/装置重量を改善しており、介護施設、在宅介護両面での活躍を想定している。
農林水産大臣賞は、inahoの「自動野菜収穫ロボットとRaaSモデルによる次世代農業パートナーシップ」が受賞した。これは、自動野菜収穫ロボットを開発し、RaaSモデルによる農業者向けサービスを提供するもので、ロボットを農業者へ貸出し、収穫高に応じて利用料を支払ってもらうビジネスモデルだ。初期費用/メンテナンス費用の負担を不要としており、貸出しからメンテナンスまでをサービスとして提供している。