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太平洋に漂うプラスチックごみを集めて分解する「第8大陸」構想——研究教育施設も併設した自給自足フローティング海洋ステーション

海をきれいにするための設備を備えた、自給自足可能なフローティングステーションである「THE 8TH CONTINENT」が、仏Jacques Rougerie Foundation による「ARCHITECTURE & ARTS INTERNATIONAL AWARDS」の2020年グランプリを獲得した。この作品はスロバキア出身のLenka Petrakova氏によるものだ。

世界的にみて、毎年、何百万トンものごみが海に流れ込んでおり、プラスチックごみによる海洋汚染は少なくとも267種の生物に影響を与えているという。プラスチックごみは海流に運ばれて、特定の海域に集まる。そのうちの1つが「太平洋ごみベルト」だが、Petrakova氏はこれを「第8大陸」と呼んでいる。

今回提案されたフローティングステーションのTHE 8TH CONTINENTは、海に漂うプラスチックごみを回収し、悪化した海洋環境のバランスを取り戻すためのものだ。太平洋ごみベルトに設置し、海面からプラスチックごみを回収してリサイクル可能な材料に分解する。

ステーションは5つの主要部分から成る。ごみを回収して潮力発電をする「バリア」、回収したごみを選別し、生分解して保管する「コレクター」、次第に悪化している水域環境の問題点を研究展示するための「研究教育センター」、植物を栽培し海水を淡水化する「温室」、サポート設備を備えた「居住区域」の5つだ。

自然の力は、ステーションの動きと位置、そして内部環境に影響を与えている。フローティングステーションは自給自足するため、ステーションの各部が協力して電力を最適化する必要がある。バリアが潮力エネルギーを利用するほか、温室をソーラーパネルが覆っており太陽発電を行う。

Petrakova氏は、オーストリアのウィーン応用美術大学で建築学の修士号を取得後、2017年5月から英Zaha Hadid Architectsでシニアデザイナーとして働いている。今回の受賞作品は、もともとは大学修士課程での論文プロジェクトだったようだ。

fabcross for エンジニアより転載)

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