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小型モーターに電力を送る、透明な太陽電池を実証

開発された太陽電池は透明で、広範な用途展開が期待される。 Photo courtesy:Joondong Kim from incheon National University

韓国の仁川国立大学の研究チームが、酸化物半導体TiO2とNiOのヘテロ接合を用いて、透明な太陽電池を作製する手法を考案した。可視光を透過する一方で紫外光を吸収して発電するというもので、研究はまだ初期的段階だが、将来的に建物の窓や外壁などに組み込む用途を想定している。研究成果が、『Power Sources』誌の2021年1月1日号に公開されている。

気候変動に関するパリ協定から5年、将来のカーボンフリーへの道に向けた研究開発が加速している。化石燃料から太陽光、水力、風力、波力といった再生可能エネルギー源への転換が求められているが、中でも太陽光は最も豊富で信頼できるエネルギー源で、研究開発コミュニティにおける最大の研究対象になっている。

近年、太陽電池の効率向上およびコスト低減が著しく進んでいるが、一方で太陽電池は不透明なことから組み込むデバイスに限界があり、屋上やソーラーファームに設置されることが多い。そこで2000年代以降、様々な酸化物半導体のpn接合を用いた、透明な太陽電池の研究開発が活発に進められている。

電気工学科のJoondong Kim教授が指導する研究チームは、その中で2つの有望な酸化物半導体材料に注目した。その第一は、既に太陽電池を作るのに使われているn型半導体TiO2で、優れた光電特性に加えて、環境に優しく無毒な材料だ。人間の皮膚に有害なUV光線を吸収して光電効果を発現する一方、大部分の可視光を透過する。第二の材料は、高い光透過性を持ちp型半導体として知られるNiOだ。ニッケルは地球上で最も豊富な元素のひとつで、その酸化物は産業的に容易に製造でき、環境に優しい電池を作るのに適している。

研究チームが開発した太陽電池は、ガラス基板と金属酸化物電極の上に、TiO2とNiOのヘテロ接合を積層し、最上部に銀ナノワイヤ電極層をコーティングしたデバイスだ。このデバイスの電力変換効率は2.1%ほどだが、光線スペクトルのごく一部のUV光線だけを利用していることを考えると、非常に高い性能と言える。また、可視光の57%以上がデバイスを透過するという、高い透明度を実現している。更に、小型モーターを駆動する実験では、0.2Vで10mAの電力を供給できることが実証された。

このデバイスは、応答性が高く光量が低い条件でも作動することが判り、自立的な高感度光センサーとしても期待される。「この発明は、未だ初期的段階に過ぎず、実際に実用化するかどうかは今後の研究に懸かっている。デバイスの光学的および電気的特性を最適化することにより、変換効率や透明性に関して更に性能向上できると考えている。窓や外壁、携帯電話のスクリーンに組込むだけでなく、多様な用途に展開できる可能性がある」と、Kim教授は期待を明らかにしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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