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病気や障害で寝たきりの人もロボットを操縦して働ける「分身ロボットカフェ」、常設化へ

病気や障害などにより、家や病院で寝たきりの人でもロボットを使ってカフェの店員として働ける「分身ロボットカフェ」の実験店常設化プロジェクトが、クラウドファンディングサイトのGoodMorningで出資を募っている。

分身ロボットカフェは、 筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄損傷などのさまざまな理由で現場で働けない方々が、オリィ研究所の分身ロボット「OriHime」を遠隔操作して接客できるかを実験するお店だ。2018年の第1回目を皮切りに、2019年に2度、2020年に1度の短期開催を経てシステムの改良を重ねており、今回のプロジェクトでは常設実験店の開業を目指すという。

これまで、分身ロボットカフェではさまざまな取り組みが試みられてきた。わずかな目の動きだけでOriHimeを操作する「OriHime-eye +switch」の導入を柱に、声を失ってしまう可能性が高いALSの方が自分の声で接客し続けられるようにする「合成音声を使った接客」の実現にも成功している。

今回の常設実験店の開業に当たっても、いくつか新たな試みを導入する。その一つが、操縦者がOriHimeを使って自分の感覚で1杯ずつコーヒーを入れてくれるシステム「テレバリスタ」だ。他にも、外出困難者の人材育成や人材紹介に加え、客側がOriHimeを操作しての来店を可能にする「OriHimeレンタルカウンター」の設置などを実施する。

分身ロボットカフェの常設実験店は、東京都の日本橋で2021年6月21日に開業する予定だ。2021年5月9日までクラウドファンディングを実施中で、2021年3月26日の時点で目標額1000万円に対して1575万円以上を集めている。資金提供のリターンは、常設実験店の限定アーリーインチケットやプロジェクトの発起人である吉藤オリィ氏のトークショー参加券などが用意されている。

吉藤氏は本プロジェクトについて、「“寝たきりの先の憧れを作る”そして、”分身ロボットを使って働くことを一般の選択肢にする”ことに挑戦するつもり」とその志を述べ、さらに「私達がこの分身ロボットカフェで皆様にご提供するのは通常のカフェの飲食サービスだけではない。世界初の失敗、改良、そして進化し続ける挑戦の姿だ」と意気込みを示している。

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