パティシエが開発したチョコレート専用3Dプリンター「choc mate 2」
2021/05/18 10:45
パティシエが開発したチョコレート専用3Dプリンター「choc mate 2」がKickstarterで高い評価を得ている。
choc mate 2は、アルチザンチョコレート(熟練職人が手掛けたチョコレート)を使って、ホテルや高級レストラン、ケータリングなどで提供するような上質のチョコレートを造形できる産業グレードの3Dプリンター。ココアバターを31%以上含有するクーベルチュールチョコレートを使い、オリジナルギフトや記念品、ケーキ飾り、ロゴ、文字などを高品質でプリントできる。
クリエイターは物理学を勉強してからパティシエになるというユニークな経歴を持つ人物で、チョコレートとテクノロジーを融合したいと考えスタートアップを設立。3年以上にわたり、自社開発の3Dプリンターでチョコレートをプリントし販売していたが、多くの顧客が自分でチョコレートをプリントしたいと考えていることに気づき、choc mate 2を開発したという。
クリエイターがchoc mate 2用の材料として提供するチョコレートスティックはスイスのFelchlin製クーベルチュールチョコレートを使用しており、テンパリング(調温)済みなのでそのまま使うことができる。市販のチョコレートを使うこともできるが、チョコレートのなめらかな口当たりと艶を出すためのテンパリングは自分で行う必要がある。
また、チョコレートは結晶化する際に収縮し湾曲する傾向があるので、チョコバーの表面は均一な状態ではない。そのため、choc mate 2には、チョコバー表面にプリントする際に湾曲を光学的に計測し補正する機能もある。
choc mate 2の大きさは468×483×718mm(静止時)で、本体重量は約13kg。4.3インチタッチスクリーンを備え、電源電圧は100~240Vだ。造形サイズは232×340×160mm。チョコレートは、その性質上、新しい層を積層する前に固める必要があるため、積層ピッチ300μmでプリントする場合の造形速度は高さ10mm当たり15~20分と比較的遅い。
choc mate 2の早期割引価格は、4300ユーロ(約57万円)。出荷は2021年11月の予定で、日本への送料は150ユーロ(約2万円)だ。
choc mate 2は1万5000ユーロ(約200万円)を目標に、2021年5月31日までクラウドファンディングを実施する。2021年5月18日時点で、目標額を上回る約5万ユーロ(約660万円)を既に集めている。