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MITとハーバード大、ブラッシングロボット「RoboWig」を開発——絡まった髪でも上手にブラッシング

Photo courtesy of MIT CSAIL.

絡まったり、うねった髪をブラシでとかすのにはコツがいる。強引にとかすと痛みやダメージの原因となってしまう。自分や他人の髪をとかす時に力を加減するように、MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)とハーバード大学の研究チームは、フィードバックシステムを備えたブラッシングロボット「RoboWig」を開発した。繊細かつ効率的にブラッシングできるパーソナルケアロボットとして、病院や介護施設の職員の負担を軽減する可能性がある。研究結果は、2021年4月12~16日に開催された「RoboSoft 2021」で発表された。

ある病棟における調査によれば、職員は18~40%の時間を患者の直接的ケアに費やしているという。パナソニックがシャンプー、頭皮マッサージ、ハーフドライができる「ヘッドケアロボット」を2012年に試用運用するなど、ヘアケアシステムのニーズは高いものの、ブラッシングロボットについてはあまり検討されていなかった。

RoboWigは、センサーのついた柔らかいブラシとコンピュータービジョンを組み合わせたロボットアーム。これまで、髪の毛の機械的、動的、視覚的な特性に着目した研究が多かったのに対し、RoboWigは髪のもつれ具合やブラッシング動作に焦点を当てているのが特徴だ。

研究チームは、絡まった髪を二重らせん構造の集まりとみなして数学モデルを構築した。このモデルは、髪の絡まり度合いから最適なブラシの動きを理解する手掛かりとなった。絡まった髪は下の方からブラッシングした方が良いという、我々が経験上知っていることがモデル上からも示された。

ロボットアームに搭載したカメラから得た画像は、垂直成分と水平成分のグレースケールに分解され、髪質の評価に使われる。次に、ブラッシング時にかかる力をセンサーで測定してフィードバックする「閉ループ制御システム」を利用し、ブラッシングで生じるかもしれない痛みとかかる時間を考慮して、その人に合ったブラシの動きになるようにアームを自動調整する。

今回、研究チームは直毛から縮毛まで、さまざまな髪質や髪形のヘアウィッグを用意して、RoboWigの動作検証をしている。例えば、強い縮毛の場合は痛みの軽減に重点をおき、1回のブラシの動きが小さくなった。

痛みの感じ方は人によって異なるため、今後は、人間の頭でより現実的な実験をしたいと考えている。高齢者や身体の不自由な人をサポートするパーソナルケアロボットとしてだけでなく、テキスタイル用の繊維や動物向けのブラッシングロボットとしての利用も期待できる。

fabcross for エンジニアより転載)

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