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3Dプリント製ピストルグリップで東京五輪に出場——アセトン蒸気で後処理し表面を滑らかに

バイアスロン選手や射撃選手向けにカスタム用品を提供している仏Athletics 3Dが、ポーランドのZortrax製3Dプリンター「Zortrax M300 Dual」を用いて、フランスの射撃代表選手Celine Goberville氏のピストルグリップを作製した。このピストルグリップは東京2020オリンピックで使用される予定であると、Zortaxが同社の公式ブログで2021年7月22日に発表した。

Goberville氏は、Zortrax M300 Dualで3Dプリントしたピストルグリップを、2021年5月~6月にかけて開催された射撃の欧州選手権女子10メートルエアピストルで既に使用しており、銅メダルを獲得した。同選手権は夏季オリンピック前の最後のメジャー大会だった。その後、東京オリンピックに向けて、グリップはさらなる改良が進められた。

射撃競技では、しっかりと握ることができ、武器が手から滑り落ちる心配がないよう、荒い表面のグリップを好むトップレベルの選手もいる。それに対し、Goberville氏はグリップの表面をできるだけ滑らかにしたいと希望した。そこで、できるだけ滑らかなグリップを目指して改良する際に、Athletics 3DはZortax製の後処理装置「ZortraxApoller」を使用した。

Zortrax Apollerは、FFF方式3Dプリンターの造形物から目に見える積層痕を除去するスマート蒸気スムージング(Smart Vapor Smoothing:SVS)デバイスだ。アセトンとメチルエチルケトン(MEK)の両方が使用可能となっている。

Athletics 3Dのエンジニアリングチームは、まずZortrax M300 Dualを使って、グリップをもう一度3Dプリントした。この時点では形状に変更はなかった。

グリップが出来上がると、チームは表面を滑らかにするプロセスを2段階で行った。第1段階では、サンドペーパーを使って手作業でグリップを研磨。その後の第2段階ではZortax Apollerにグリップを入れ、アセトンの蒸気で化学的にスムージング処理をしてグリップ表面を滑らかにした。

グリップには、銃身に取り付ける部分や、内部バッテリーや電子機器を収納する部分など、精密な部分がいくつかある。Zortax Apollerはさまざまな部分に適用する溶剤の量を変えられるため、グリップ表面を適切に滑らかにしつつ、必要な細部は全て、大きさや形状を変えずにそのまま維持することができた。

チームは、望み通りの表面仕上げを実現するプロセスを確立した後、全く同じ方法で予備のグリップを1つ作った。スポーツ用品は輸送中や競技中に破損する恐れが常にあるため、予備のグリップは欠かせない。このようなプロジェクトに3Dプリンターを使用する利点の1つがここにある。ハードディスクドライブやクラウドに3Dモデルのデジタルデータを保存していれば、必要なときにすぐにそれを再び製造できるからだ。

2021年7月25日に、東京オリンピックで女子10メートルエアピストル個人種目に出場したGoberville氏は8位入賞に終わったが、オリンピック後に、グリップにはさらなる設計変更が検討される予定だという。

fabcross for エンジニアより転載)

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