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ハリケーンに飛び込んでデータを収集する——Saildroneが5機の新型海洋ドローンを展開

海洋ドローンの開発を手掛けるSaildroneはアメリカ海洋大気庁(NOAA)と提携し、ハリケーンに関する科学データを計測するため、2021年8月に5機の無人海洋ドローン「USV(Uncrewed Surface Vehicles)」を展開すると発表した。この新型USVには、風速70マイル(約113キロ)、波高10フィート(約3m)を超えるような厳しい環境下でも運航できるよう特別に設計された「ハリケーンウィング」が装備されている。

ハリケーンは沿岸部の都市に生活する人々の安全を脅かすだけでなく、アメリカに対して年間約540億ドル(約5兆9200億円)相当の被害をもたらすという。ハリケーンに関連する物理的なプロセスを理解することは、予測精度を向上させ、物的並びに人的被害を減少させるために重要なことだ。

NOAAのハリケーン調査部の科学者Jun Zhang博士は、「ハリケーン物理学で最大の課題は、その急速に発達するプロセスの解明が不足しており、どれ位の規模まで発達するのか正確な予測が難しいことだ」と語る。「海洋と大気の間での熱交換が、ハリケーンにエネルギーを供給する主要な物理プロセスだということは分かっている。より理解を深めるためには、大変困難ことだが、ハリケーンの内部に入り込み、観測データを収集する必要がある」とZhang博士。

そして、Saildrone創業者兼CEOのRichard Jenkins氏は「新たに設計したハリケーンウィングは、地球上で最も厳しい気象状況下でもデータを収集可能な画期的なものだ。通常の学術調査船では到達できないハリケーンの目に飛び込んでデータを収集することで、破壊的な嵐から人々の安全を守ることができる」と、今回のプロジェクトの狙いを説明している。

fabcross for エンジニアより転載)

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