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電子機器のリサイクルが簡単に——水に溶解するスマートウォッチを開発

Credit: Adapted from ACS Applied Materials & Interfaces 2021, DOI: 10.1021/acsami.1c07102

スマートウォッチなどの小型電子機器は、簡単に分解してリサイクルすることができない。そのため、新しいモデルが発売されると、古いデバイスの多くが有害廃棄物として捨てられ、年間数百万トンの電子廃棄物が発生しているという。

そこで天津大学の研究者らは、小型電子機器のリサイクルを容易にするために、水に浸すと分解する2金属ナノコンポジットを回路用に開発した。この回路は、40時間以内に溶解するスマートウォッチのプロトタイプで実証された。

研究者らはこれまでに水に溶ける亜鉛ベースのナノコンポジットを開発し、暫定的な回路に使用していた。しかし、民生用電子機器として使用するためには十分な導電性がなかった。そこで研究者らは、溶解可能なナノコンポジットの電気的特性を向上させるとともに、日常的な使用に耐えうる頑丈な回路を開発することとなった。

具体的には、亜鉛ベースのナノコンポジットに銀のナノワイヤを加えて高い導電性を持たせる。そして、金属溶液を水中で劣化する特性を持つポリビニルアルコールの上にスクリーン印刷。さらに、ポリビニルアルコール製ケースを3Dプリンターで作成し、その中に複数のナノコンポジットが印刷された回路基板を入れ、スマートウォッチを完成させた。

このスマートウォッチには、心拍数、血中酸素濃度、歩数を測定するセンサが搭載されており、その情報はBluetooth接続でスマートフォンのアプリに送信される。ケースは汗をかいても問題ないが、デバイス全体を水に浸すと40時間でケースも回路も完全に溶解した。残ったのは、有機発光ダイオード(OLED)スクリーンやマイクロコントローラなどの時計の部品と、回路に組み込まれていた抵抗器やコンデンサだけだった。

この2金属ナノコンポジットを用いれば、市販モデルと同等の性能を持つ溶解可能なデバイスを製造することが可能であり、小型電子機器の廃棄問題の解決に大きく貢献できるとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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