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運用中の原子炉へ3Dプリント部品を設置 米オークリッジ国立研究所

Credit: Framatome

オークリッジ国立研究所(ORNL)は2021年8月9日、3Dプリント製の原子炉部品が、テネシー峡谷開発公社(TVA)が保有するブラウンズフェリー原子力発電所に設置されたと発表した。第2号機に4つの3Dプリント製ブラケットが使われ、現在運用中だ。

これは「TCR(Transformational Challenge Reactor)」プログラムの一環で、ORNL、TVAのほか、フランスの原子炉メーカーFramatoneも参加している。「3Dプリント部品の原子炉アプリケーションへの設置は、大きなマイルストーンだ。高度に規制された環境へ、適格な部品を供給できるということを示した。このプログラムは基礎科学技術と応用科学技術の懸け橋となり、先進の製造方法が原子炉向けの技術と部品をどのように変えられるか、具体的なソリューションを提供する」と、TCRプログラムのディレクターでもあるORNLのBen Betzler氏は語る。

原子炉部品のチャンネルファスナーは、直線的だが非対称と、積層造形技術を利用するのに適した形状だった。耐食性の高い316ステンレス鋼を素材とし、パウダーベッド方式の金属3Dプリンターで製造している。

発電所は、部品交換後の2021年4月22日から運転再開している。3Dプリント製ブラケットは今後6年間使用予定で、その間定期点検も実施する。運用期間の終了後は、部品を取り出して検査と評価が行われる予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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