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スイス発のネコ型ロボット製作プロジェクト「Dyana」

スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)の学生らによるプロジェクト「Dyana」で、独自のキャラクターを持つネコ型ロボットの製作が試みられた。プロジェクトは9カ月の期限を終えたが、学生数名が学士論文のために継続しているようだ。

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Dyanaはロボティクスの新たな可能性の追求が目的のプロジェクトで、Dynamic Animatronicを略したもの。Animatronics(アニマトロニクス)はアニメーションとエレクトロニクスを組み合わせた造語とされ、生物の動きをロボットでリアルに模倣する技術のことだ。

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Dyanaプロジェクトでは、伝統的なAnimatronicsに多様性を持たせるロボティクス、生物とロボットをハイブリットした外観、ダイナミックな動作とパターンで表現する生命感、コンパクトで高トルクなレッグアクチュエーションやコンプライアントメカニズムといった革新的技術のリサーチの4つ観点から進められた。機械/電子/システムエンジニアと工業デザイナーからなるチームが、リアルではあるが柔軟性に欠けるAnimatronicsと、モバイル性が高くテクニカルなロボティクスを組み合わせることで、ネコのキャラクターを持ったロボットの製作に取り組んだ。

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主な課題は親しみやすいキャラクターデザイン、四足歩行ロボットのプログラミングと制御、尻尾と頭部を有する四足動物プラットフォームの構築だったという。ネコのキャラクターを際立たせるために、特に外観のデザインにフォーカスした。そこで、デザインの自由度が高く、複雑な猫のボディーを美しく表現でき、軽量なシェル(外郭)を短期間で作れる3Dプリンティングが適用された。

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マルチジェットフュージョン方式、FFF(熱溶融積層)方式、SLS(粉末焼結積層造形)方式の各種3Dプリンターで試作し、最終的に、転倒した際に壊れやすい太ももと肩のシェルの造形には、SLS方式の3DプリンターとPA12(ポリアミド12)を採用した。パーツは軽量ながら耐衝撃性に優れ柔軟性が高く、内側の複雑な取り付け構造も簡単かつ高精度に造形でき、ロボットのシェル製造向けに適していることを確認した。

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