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ヘビのウロコを模倣した伸縮自在のバッテリーを開発 韓国KIMM

CREDIT: KOREA INSTITUTE OF MACHINERY AND MATERIALS (KIMM)

韓国KIMM(Korea Institute of Machinery and Materials:韓国機械研究院)は、ヘビのように伸縮自在なバッテリーを開発したと発表。このバッテリーは、ソフトロボットからウェアラブルデバイスまで、さまざまな機器に応用できる。

ヘビのウロコは、1枚1枚に目を向けると硬く、外部からの衝撃を防ぐことができる。一方、構造上の特性として、非常に伸縮性があり柔軟性も備えている。

KIMMの研究チームは、ヘビのウロコを模倣した機械的メタ構造を取り入れ、安定性に優れた伸縮自在なバッテリーを開発した。従来のウェアラブルデバイスでは、デバイスのフレームとバッテリーが強固に連結されていたが、研究チームはウロコ状の構造になるよう小型バッテリーを連結することで、自由な動きを可能にした。

さらに、バッテリーの安全性を確保するため、バッテリーを構成する材料の変形を最小限に抑えられるように、ウロコ状の構造の最適化を図った。また、ユニットサイズあたりの容量を大きくしようと、バッテリーセルの形状も工夫している。

具体的には、バッテリーセルの形状をヘビのウロコのような六角形とし、ポリマーと銅で接続して、ヒンジ構造で動作させる。電極を折り紙のように切り折りする設計にしたことで、製造コストを引き下げ、大量生産の実現性を高めた。

同技術は、柔軟性が必要な蓄電装置を搭載したウェアラブルソフトロボットや、身体的サポートが必要な高齢者/病人用のリハビリテーション機器といった用途を想定している。

そのほかにも、災害現場で救助活動をするソフトロボットの電源装置としても期待がかかる。このバッテリーを搭載したロボットは、自由に動き、自由に形を変えることができるため、災害時に障害物でふさがれた狭い場所にも入っていくことが可能だ。

研究チームは今後、蓄電装置の容量を増やす技術の開発を進めていく考えだ。この研究成果は、2021年8月16日付けの「Soft Robotics」オンライン版に掲載されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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