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家具を自動で組み立てた「Ikea Bot」からさらに進化——人間の手に近い感度で小さな物体を機敏に扱えるフィードバック技術を開発

シンガポールの南洋理工大学(NTU)からスピンオフした企業であるEureka Roboticsは、産業用ロボットが微細な物を人間の手とほぼ同じ感度で機敏に扱えるようにする技術を開発した。この技術は「Dynamis」と呼ばれ、Dynamisを搭載した産業用ロボットは、わずか数ミリ程度の大きさのガラスレンズや電子部品、エンジンギアを傷つけることなく扱えるようになる。

Dynamisは、同社の共同創業者でNTUのPham Quang Cuong准教授らが2018年に発表した力フィードバック技術をアップグレードしたものだ。この技術は、当時、「Ikea Bot」と名付けられたロボットアームで実証された。Ikea Botはスウェーデン発祥の大手家具量販メーカーIKEAの椅子を20分で組み立てることに成功し、話題となった。

Pham Quang Cuong准教授によると、産業用ロボットの業界リーダーであり、トヨタグループ傘下であるデンソーウェーブの最新ロボットを購入した場合に、オプションとしてDynamisを組み込みできるようにする予定だという。Dynamisはロボットの力制御として機能し、人間の手首に当たる部分に搭載したセンサーで検知した力に応じて、力を調整し加えるようにする。

現行の産業用ロボットと比べて、Dynamisを搭載したデンソーウェーブのロボットが8倍の速さで正確にギアを組み立てる能力があることは実証済みであり、生産性向上への大きな可能性があることを示唆している。

fabcross for エンジニアより転載)

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