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バイオフィルムを3Dプリントで制作する技術を開発

University of Rochester photo / J. Adam Fenster

アメリカのロチェスター大学とオランダのデルフト工科大学の研究チームは、自然のバイオフィルムと同じような性質を示す人工バイオフィルムを作製するための3Dプリント技術を開発した。物質の表面に付着した微生物の悪影響に対抗する薬剤の開発に役立つ可能性がある技術で、研究成果は『ACS Synthetic Biology』誌に2021年10月15日付で公開されている。

バイオフィルムとは、細菌などの微生物が固体表面に形成する高度に自己組織化された3次元集合体で、薬剤耐性など個々の微生物単体にはない性質を示す。バイオフィルムは、医療機器などの表面を覆って感染症を引き起こす、薬剤や消毒剤に対する耐性があるなど、人間にとって有害なことも多いが、水道水の浄水処理に用いられるなど有益な面もある。

バイオフィルム中の微生物は、微生物自身が産生した物質で構成される細胞外マトリクスで包み込まれている。細胞外マトリクスは特殊な構造的特徴を持っているが、どの要素がバイオフィルムの生物学的特性につながっているかは明らかになっていない。

今回研究チームは、3Dプリントで大腸菌のバイオフィルムを人工的に作製し、自然のバイオフィルムと同じような挙動を示すことを明らかにした。この技術を用いれば、研究者らはバイオフィルムの特性をより詳細に研究できるようになり、バイオフィルムの有益な側面を利用したり、有害な面へ対処したりできる。

論文の責任著者であるロチェスター大学のMeyer教授は、「私たちが設計したバイオフィルムは、薬剤耐性も含めて自然界のバイオフィルムと同じような振る舞いをするため、抗バイオフィルムの薬剤開発に適したモデルシステムになっています」と述べている。

Meyer教授の研究室では、自然を模倣したさまざまな合成材料の開発を行っており、エネルギー、医療、テクノロジー、ファッションなど幅広い分野での応用が期待されている。今回開発した人工バイオフィルムの技術は、それらの中で最新の研究となる。

fabcross for エンジニアより転載)

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