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スウェーデン発3Dプリント製ウォール——アートと機能性を融合した「Meristem Wall」

スウェーデンの建築家David Andreen氏とAna Goidea氏は、ルンド大学のプロジェクト「Meristem Wall」において3Dプリント製ウォールの製作に取り組んだ。

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両氏は、これまでに誰も作ったことのない革新的な構造物を3Dプリンターで生み出すことをモチベーションに、このプロジェクトを立ち上げた。科学、革新性、創造性を融合し精密に表現することで、3Dプリンティング技術の利点を存分に生かした構造物のシンボル的な存在になることを目指したという。

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見た目の美しさだけでなく、自重を支える構造サポート(拡張も可能)、業界標準の照明器具の搭載、電気配線や排水用パイプの敷設、アクチュエーターやセンサーを内蔵し、蓄熱や内部の湿度レベルを制御する通気システム、多様な都市の野生生物の住処向けに最適化した形状とインテリアファブリックの表面など、多くの機能性が付加されている。

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プロジェクトは2年以上かけて進められ、独自に開発した複雑な連続アルゴリズムとデザインプロセスでデジタル化した。最大1250×2100×700mmとなる構造物を造形するため、4000×2000×1000mmの造形が可能な砂型用3Dプリンター「voxeljet VX4000」を使用している。また、安定性と引張強度を高めるため、エポキシ樹脂を浸透させる後処理を加えている。

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David Andreen氏は、「3Dプリンティングによる建築は話題になっているが、商業向けアプリケーションは主に効率、スピード、コストに焦点が当てられている。建設業界に変革をもたらすことは疑いないが、何を変革するかだけでなく、どのように変革するかを1から考え直す必要がある」と話している。

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