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生分解性プリンテッドペーパー電池の開発

Credit: NTU Singapore

シンガポールにある南洋理工大学(NTU)の研究チームは、紙のように薄い電池(ペーパー電池)を開発した。電池は生分解性の材料でできており、使用後土に埋めると約1カ月で微生物により完全に分解される。研究成果は、フレキシブルでウエアラブルなエレクトロニクスシステムの電源として、サステナブルな選択肢を提供することにつながるという。

開発された電池は、ハイドロゲルで補強したセルロースペーパーの両面に、スクリーン印刷で電極を形成した構造となっている。負極インクは、主に亜鉛とカーボンブラック(導電性タイプのカーボン)で構成されている。正極インクは、マンガンを使用したタイプとニッケルを使用したタイプを開発したが、他の金属も使用できる可能性があるとのことだ。

電極が印刷された後は電解液に浸し、次に導電性向上のため、薄い金箔を電極にコーティングし、ペーパー電池は完成する。最終的な厚さは約0.4mmで、人間の髪の毛2本ほどの厚さとなる。

両タイプとも、500回の充放電後も安定した電池特性を示し、またエネルギー密度が26mWh/cm3という優れた電池特性を示す。実験では、40×40mmのペーパー電池で、小型の扇風機を少なくとも45分間回転させた。また、電池を曲げたりよじったり、部分的に切り取った場合でも電源供給機能に影響がないことを示した。

さらに研究チームは、生分解性を実証するために、ペーパー電池を大学キャンパスの屋上庭園に埋めた。すると、ハイドロゲル強化セルロース紙は2週間後に破砕し始め、1カ月以内には完全に分解された。

NTUのHong Jin Fan教授は次のように述べる。「分解が起こると電極材料は環境に放出されます。正極に使用されるニッケルまたはマンガンは、天然鉱物に近い酸化物または水酸化物の形態になり、負極に含まれる亜鉛は自然に酸化され、無毒の水酸化物を形成します。開発したペーパー電池の生分解性は、現在の電池に対して、よりサステナブルな代替品となる可能性を示しています。」

今後研究チームは、ペーパー電池を他のプリンテッドエレクトロニクスや電子スキン、環境に配置されているエネルギー貯蔵システムとの統合を実証していきたいと考えている。

研究の成果は、2021年11月5日付で『Advanced Science』誌に掲載されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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