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ラズパイとロボットアームで農業自動化——GRIPS、トマトの自動仕分けシステムの実証実験を実施

GRIPSは、ライトカフェとともに、小型ロボット「DobotMagician」とAI技術を活用したトマトの自動外観検査システムを開発し、愛知県東郷町にあるトマト農場「Toma ROSSO東郷ファーム」の協力を得て実証実験を行った。

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この実証実験は、あいちロボットトランスフォーメーション(ARX)が主催する愛知県内でのサービスロボットの社会実装を促進する取り組みの一環として行われた。

システム構成は、小型ロボットアームDobotMagician2台とコンベアベルト1台、USBカメラで構成され、全体の制御系はRaspberryPiを用いて、ロボット制御、AI(ディープラーニング)を用いた画像処理と外観判定を行う。判定結果はクラウドサーバーに逐次アップロードされ、集荷されたトマトに環境情報とともにデータ化され収穫した農作物のトレーサビリティの確保に応用できる。クラウドシステムはライトカフェにより開発され、クラウドサーバーとロボット制御系との統合を実現している。

機械学習用データセットとしてあらかじめ数百枚のトマトの画像を撮像し、これを用いてCNNモデルを生成する。アルゴリズムはRaspberryPiに実装されているPython環境にTensorFlow、Kerasを追加し、アプリケーションとしてRUTILEAのSDTestを実装した。オープンソース技術を組み合わせたシステム構成により、安価にAI技術を用いた自動仕分けシステムを実現できる。

トマトを「やさしく」掴む技術として、ライトカフェが開発したソフトグリッパーを採用し、形状や重量の異なるトマトにも対応したピッキング動作を実現している。グリッパー部分は、光造形型3Dプリンターによって製造された。

同社では、DobotMagicianを生産現場へ適用することで安価な自動化の提案をしているが、「ちょっとした作業」を安価な技術要素、特にオープンソース技術の組み合わせで、今後も農業、医療をはじめとしたさまざまな産業分野での自動化をパートナー企業とともにオープンイノベーションとエコシステムで提案していくとしている。

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