3Dプリントの失敗作を愛でる——「第2回もじゃもじゃコンテスト」受賞作決定
2022/03/30 13:50
メルタが主催する「第2回もじゃもじゃコンテスト」の受賞作品が決定した。
もじゃもじゃコンテストは、3Dプリンターが印刷に失敗したときに生まれるプラスチックの「もじゃもじゃ」の芸術性を評価するコンテストだ。
2回目となる今回は、Twitterで写真を送る従来の「Twitter部門」に加え、実物を直接見て評価する「実物部門」が新設された。審査員は、アーティストの明和電機氏、メディアアーティストの市原えつこ氏、ギャル電きょうこ氏、そして主催のメルタ社長内野博之氏の4人だ。
グランプリは、両部門でのW受賞となる作品で「真ん中に無数の樹脂溜まり、周りに伸びるもじゃもじゃ」だ。大型FRPキャラクター作製途中に大径ノズルへと付け替えたところプリンターが大破し、その結果生み出されたという。「造形物からノズルがどう動いたのか推測できない。見た目のインパクトと希少性も含めて、グランプリにふさわしい貫禄」だと評価された。
純然たる大きさのみで選ばれる「デカさ賞」には、実物部門では「溢れ出たデカ盛り、あるいは断層されたツノ」がダントツ1位で選ばれた。フィラメント交換したところからつなぎ目が割れてしまった結果生まれた作品で、500mlペットボトルを超える大きさ。なぜか途中から正気を取り戻して正常に出力され始めたことでよりインパクトのある形状になった。
Twitter部門は「もじゃの屍を超えていけ」が受賞。60時間の予定で8割方進んだスピーカーエンクロージャーの造形時に発生。「最後の最後で、というときの絶望具合が聞こえてくる。その発狂の雄叫びと『俺の屍を越えてゆけ』という遺言が聞こえるような大作だ」と評価された。
「エピソード賞」には、実物部門が3Dバナナ造形時に生まれた「神の逆鱗に触れたバナナ」、Twitter部門では「帰ってきてドアを開けたら滝が完成していました」という帰ってきたらもじゃシリーズの作品が受賞した。
その他「美しさ賞」には「カオスに抗うバイクの片鱗」と「SNSならではの『もじゃ映え』」が選ばれた。
今回の応募作品の実物や写真の一部をリアルで展示する「もじゃもじゃコンテスト展」を下北沢高架下の新施設「ミカン下北」で、2022年3月30日~同年4月5日の間実施する。入場は無料だ。