新しいものづくりがわかるメディア

RSS


リチウム金属電池でエネルギー密度800Wh/Lを達成——3Dプリント大容量固体電池の実現へ一歩前進

3Dプリントによる固体電池の開発を進めている米Sakuuは、現在開発中のリチウム金属電池がエネルギー密度800Wh/Lを達成したと発表した。同社は、2023年までに完全3Dプリントによる固体電池でエネルギー密度1200Wh/L超を実現することを目指しており、今回のベンチマーク達成は大きな節目となる。

今回の発表によると、第1世代のリチウム金属電池は、2020年8月に開発を開始して以来、その体積エネルギー密度は飛躍的に向上しており、2022年2月のベンチマークテストで800Wh/Lを達成したという。現在、最もよく売れている電気自動車(EV)で使用されているリチウムイオン電池のエネルギー密度が500~700Wh/Lであることを考えると、優れた値だといえる。

Sakuu

さらに、この第1世代の電池は、充放電200サイクル後も97%の容量を維持した。また、800サイクル後でも、デンドライトと呼ばれる樹枝状の結晶を析出することがなく、容量80%を維持する見込みだ。

全て3Dプリントにより製造する第2世代の固体電池では、エネルギー密度のさらなる大幅な向上を達成できると予測しており、同年初頭のサンプル出荷開始を予定している。第2世代固体電池は、同社独自の「Kavian」プラットフォームにより迅速な大量生産が可能になり、低コストかつ持続可能な製造を実現する。

Sakuu創業者兼CEOのRobert Bagheri氏は「まったく新しい3Dプリント技術で製造する、安全で持続可能な高性能固体電池の登場は、今日のリチウムイオン電池の限界を超えると同時に、サプライチェーンおよび安全性に関する重要な課題を解決することができる」と語り、今回のベンチマーク達成は、2023年までに「究極の理想」である固定電池を開発するというロードマップにおいて、正当性を立証する成果だとしている。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る