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英オックスフォード大、世界最大規模の人類の家系図を作成

Oxford Population Health/YouTube

英オックスフォード大学ビッグデータ研究所(BDI)の研究者らは、世界最大となる人類全体の家系図を作成したと発表した。この研究詳細は、『Science』誌に2022年2月25日付で掲載されている。

全ての人間の祖先をたどる1つの系図を作成するにあたり、研究者らは8つの異なるデータベースから現代と古代のヒトゲノムを集め、データを統合した。現代に存在する215の集団から3609人分のゲノム配列が利用され、古代のヒトゲノムデータとしては、3つのネアンデルタール人ゲノム、1つのデニソワ人ゲノム、そして約4600年前にシベリアで暮らしていた4人家族のゲノムを利用した。

BDIの進化遺伝学者であるYan Wong博士は、今回作成された系図について「この系図により、ゲノムの全てのポイントに沿って、各個人の遺伝子配列が他の人とどのように関係しているかを見ることができる」とコメントしている。

個人のゲノム領域は必ず父か母のいずれかから継承するため、ゲノムの各ポイントの祖先は1本の「樹(tree)」と考えることができる。こうした「祖先組み換えグラフ」と呼ばれる樹の集合を使えば、どこで遺伝的変異が初めて出現したかをたどれるという。

筆頭著者であるAnthony Wilder Wohns博士は「今回の研究から分かった最も興味深い点の1つは、人類の祖先がいつどこで暮らしていたかについて知ることができたことだ」と話す。同氏によると、既に知られているように人類の遺伝的多様性はアフリカで最も高いことがすぐに明らかになり、また、アフリカ以外の事象として非常に多くの系統がオセアニアに存在していて、絶滅した古代人類であるデニソワ人との間で複雑な相互作用があったことも示されているという。

fabcross for エンジニアより転載)

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