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変換効率33.3%を誇る宇宙用太陽電池が、実用化に向けて最終試験中

宇宙産業大手の米Rocket Labは2022年3月、同社が買収したSolAero Technologiesが開発した宇宙用太陽電池「IMM-β(Inverted MetaMorphic-β)」が、宇宙空間での運用に向けた認証試験に入ったと発表した。

IMM-βの特徴のうち、寿命初期の電力変換効率は、現在量産中のIMM-aの32%に対して平均33.3%まで向上した。宇宙空間での運用に関わる耐放射線性の試験では、IMM-βに1MeVの電子線を1E15 e/cm2 の線量で照射後、87%の電力残存率を記録した。この条件は、IMM-βを静止軌道上で約15年間運用した状況に相当するという。

また一般的な宇宙用太陽電池と比較して、40%以上軽量だ。

SolAeroの製品は過去20年にわたり、数々の宇宙開発ミッションで重要な役割を担ってきた。その実績はNASAの宇宙探査機Parker Solar Probe、James Webb宇宙望遠鏡、 火星探査機InSight Mars Landerへの電力供給や、国際宇宙ステーションへのCygnus補給船ミッションなどがある。

副社長兼Space Systems Power SolutionsゼネラルマネージャーのBrad Clevenger氏は、「IMM-βの性能が太陽電池アレイと打ち上げ重量に与えるインパクトは、人工衛星の開発企業にとって魅力的な選択肢になる」と述べた。IMM-βの商業利用は、2022年後半に準備が整う見込みだ。

fabcross for エンジニアより転載)

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