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超軽量の液体水素タンクが、旅客機の航続距離を4倍にまで伸ばす

水素燃料電池システムを開発する米HyPointは2022年3月29日、液体水素燃料タンク「BHL Cryotank」を製造する米Gloyer-Taylor Laboratories(GTL)との提携を発表した。

HyPointは都市型エアモビリティ向けのターボ空冷式水素燃料電池システムを開発し、NASAからの受賞歴を持つ。提携先のGTLは航空宇宙用の複合素材を専門とし、既存の燃料タンクと比較して75%の質量削減を果たしたBHL Cryotankを開発した。

この燃料タンクは、長さ2.4m、直径1.2m、重量は関連機器を含めて67kgだ。既存の燃料タンクと比較して10倍の容量をもつ。これにより航空燃料を使用する航空機の4倍の航続距離を達成し、航空機の運用コストを乗客1マイルあたりのドル換算で、50%の削減を見込むという。

HyPointの共同創設者兼R&D責任者であるSergei Shubenkov氏は、両社の技術の効果を次のように説明した。50~56人乗りの旅客機De Havilland Canada Dash 8 Q300の航続距離は、PW123B型エンジンで1558kmだ。一方、同型機にHyPoint製の水素燃料電池システムとGTL製の液体水素タンクの搭載を仮定すると、航続距離は4488kmに達する。すなわち、既存の航空燃料に対してゼロエミッションである上に、3倍の航続距離を達成するという。

GTLの社長兼CEOであるPaul Gloyer氏は、「水素燃料電池技術のパイオニアであるHyPointと、共通のビジョンに向けて協力していきたい」と期待を述べた。

fabcross for エンジニアより転載)

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