Raspberry Piを搭載しRTK-GPS測位で正確に芝刈りできる自動ロボット芝刈り機「OpenMower」
2022/06/20 07:30
オープンソースの自動ロボット芝刈り機「OpenMower」がRaspberry Pi公式ブログで紹介された。Open Mowerは、RTK-GPS測位により正確かつ効率的に芝生を刈り取れることが特徴だ。
従来の芝刈りロボットは芝生との境界線を検出するまで直進し、境界線に達したらランダムに回転して別方向に直進するという仕様だが、庭が複数のエリアに分かれている場合、こうしたエリアを行き来できないという欠点があった。また、手動で芝生を刈り取ると刈り跡は均等できれいだが、従来の芝刈りロボットでは刈り跡が均等にならない。Clemens Elflein氏は、これらの問題を解決するためにOpenMowerを開発したという。
OpenMowerは、もともと399ユーロ(約5万5000円)で市販されていた芝刈りロボットに、Raspberry Pi 4とRaspberry Pi Picoを追加で実装している。メインプロセッサーとして動作するRaspberry Pi 4は、ナビゲーションや位置確認など大部分のプログラムを実行する。ブラシレスモーター3個の制御にはVESCベースで独自開発したオープンソースのxESCコントローラーを使用。Raspberry Pi Picoはセンサーの入出力処理などに使用し、測位用にArdusimple RTK GPSボードを採用している。
OpenMowerで芝刈りをするにはまずリモコンを使用して、OpenMowerに芝刈り対象エリアの境界線を走行させる必要がある。例えば、中庭の端から端まで芝を刈りつつ、庭の真ん中にある木の根元の周囲は避けて円形に刈るようにマッピングした場合、OpenMowerはまずマッピングされたエリアを囲む境界線に沿って芝を刈る。
次に、エリア内部全体を刈り終えるまで端に到達すると自動で折り返して、直線状に進行して刈り取っていく。刈り取り対象外の木の根本付近に来ると木の手前で自動的に折り返すが、木の反対側のエリアを進行できるようになるとまだ刈り取っていないエリアまで戻り、さらに自動的に方向を変えてまた直線状に進行していく。
Elflein氏によると、市販の芝刈りロボットはハード面では高品質なので、ソフトウェアを改良するだけでよいという。部品価格等について検討した結果、市販品をアップグレードすることがコスト面からも最良だと判断したとのこと。既存の製品に付属する防水ケースも流用できるので、ゼロから開発するよりも時間の節約になったとのことだ。プログラムはオープンソースとしてGitHubで全て公開されている。