ブラウン管テレビにRaspberry Piを組み込んでみた——昔の映画を楽しめる「Raspberry Pi TV Simulator」
2022/07/15 07:30
Raspberry Pi公式ブログが、ブラウン管テレビにRaspberry Piを組み込んでレトロフィットした「Raspberry Pi TV Simulator」を紹介している。
ブラウン管テレビは、ブラウン管後方の電子銃から発射された電子(電子ビーム)が前方画面の内側に塗られた蛍光物質に当たって発光することで画像を表示する装置で、かつては多くの家庭で使われていた。現在のデジタル液晶テレビと比べると、ブラウン管テレビは画質も粗くノイズも多い。本体も奥行きがあり場所を取るが、今でもレトロゲームや家電改造が好きな人たちに愛されている。
ブラジル在住のMakerであるRodrigo Feliciano氏もその1人で、古い白黒テレビを改造し、Raspberry Piを使って昔の映画を再生できるようにした。側面のつまみを回せば「チャンネル」も切り替えられる。
AM/FMラジオ付きの5インチブラウン管テレビの内部には、Raspberry Pi 3 Model B+、Arduino Pro Mini、レギュレーター、リレーなどを組み込んだ。Raspberry PiはPythonスクリプトを実行して保存している動画ファイルをランダムに再生し、Arduinoはポテンショメーターの電圧を取得してリレーをオン/オフすることで、ビデオ入力とテレビ回路からのノイズを切り替える。
元のテレビ基板も利用しており、切り替え時に現れる砂嵐はテレビ基板の回路から取得しているので、レトロ感をさらに増す。Feliciano氏がYouTubeチャンネルで公開しているデモ動画では、知的財産権が発生しないバブリックドメインの映画を、アメリカの非営利団体が運営しているInternet Archiveからダウンロードして使用している。
時にマウスのカーソルが画面上に現れるなど、改善点はいくつかあるようだ。また、ブラウン管テレビ内部には高電圧の箇所もあり非常に危険なので、取り扱いについては十分注意する必要があると警告している。