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不透明な樹脂中に通る光線を自動補正して瞬時に造形する3Dプリント技術

© Alain Herzog 2022 EPFL

スイス連邦工科大学の応用フォトニックデバイス研究所の研究チームが2022年5月23日、光を使用して不透明な樹脂から瞬時に3Dプリントする技術を発表した。

透明な樹脂から瞬時に造形する技術は、2017年に同チームにより開発され、さらなる技術改善により、不透明な樹脂にも対応した造形が可能となった。

多くの3Dプリンターは積層方式を用いるのに対し、同技術は体積法を採用している。同手法では、樹脂を注いだ容器を回転させ、さまざまな角度から光を当てる。光エネルギーが一定値以上蓄積すると樹脂内の感光性化合物と相互作用して樹脂が硬化する。造形物の解像度は、既存の3Dプリント技術と同等とのこと。

比較試験として「スター・ウォーズ」シリーズのキャラクター、ヨーダのフィギュアを3Dプリントしたところ、積層方式では約10分に対して、体積法ではわずか20秒で造形が完了した。

体積法で不透明な樹脂を用いる際、光が散乱してスムーズに樹脂内を伝播せず、硬化に十分なエネルギーが蓄積しづらいため、造形物の解像度が大幅に低下するという課題があった。そこで研究チームは、ビデオカメラを使用して樹脂を通る光の軌道を観察し、3Dプリント中にコンピューター計算による光線の自動補正で課題を解決した。

同技術は、人工動脈といった不透明な生体材料を3Dプリントするのに活用できる。研究チームは現在、1度に複数の材料を3Dプリントし、解像度を0.1mmから1µmに上げる研究に取り組んでいる。

fabcross for エンジニアより転載)

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