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23%以上の効率で発電するペロブスカイト太陽電池を開発

ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、液体インクによる印刷やコーティングなどの塗布プロセス、真空蒸着により作製された材料の層で構成される薄膜デバイスで、軽量かつ柔軟、低コストというメリットがある。オーストラリア国立大学、フリンダース大学、ニューサウスウェールズ大学の研究チームは、グアニジニウムイオンとオクチルアンモニウムイオンの2種類のスペーサーカチオンを用いた独自のパッシベーション技術により、高効率の新規PSCを開発した。研究成果は『Solar RRL』誌に2022年5月20日付で公開されている。

一般的にPSCは長期的に不安定で劣化が早いことから、現在のところ実用化にはまだ課題が多いとされている。今回の研究で、グアニジニウム塩がペロブスカイト薄膜の性能を向上させることが明らかとなり、PSCの普及に一歩近づいたといえるだろう。

開発したPSCは、臭化グアニジニウムと臭化オクチルアンモニウムを用いて、正孔輸送層側にパッシベーションを行なっている。グアニジニウムイオンがペロブスカイトのバルクに浸透し、粒界に局在することが、ペロブスカイト薄膜の性能が向上する理由だ。このパッシベーション処理をすることにより、効率は21.37%から23.13%まで高まり、安定性も大幅に向上した。60時間の光浸漬安定性試験では、試験後も初期効率の97%を維持していた。

研究チームによると、開発したペロブスカイト太陽電池技術と既存のシリコン太陽電池技術をタンデムに組み合わせることで、最大30%の高効率が達成できるという。また他の組み合わせを検討することで、性能や安定性がさらに向上する可能性もある。

ペロブスカイト太陽電池が既存の太陽電池と商業的に競合するにはまだ多くの課題が残っているものの、今後が期待できる研究成果といえるだろう。

fabcross for エンジニアより転載)

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