モンタナ州、3Dプリント製壁構造の一般建築物への使用を承認
2022/09/01 08:00
Apis Corは、モンタナ州の建築規制当局が、同社の3Dプリンティング建築技術によって製造された構造物を従来のコンクリートブロックと同等の代替品として承認したと発表した。規格品の建築用コンクリートブロック(CMU:Concrete Masonry Unit)と同等であるとアメリカの州が認めた初のケースだという。
モンタナ州の建築規制当局は、同州ビリングスの建築請負業者Tim Stark氏が申請した3Dプリント製の壁が、CMU製コンクリート壁の同等品であることを認めた。Tim Stark氏は同州において、Apis Corの3Dプリンティング機材やプロセスを活用した、住宅開発プロジェクトの立ち上げを模索している。
フロリダ州を拠点とするApis Corは、国際的な建築基準に準拠した3Dプリント壁を設計した実績があり、これまでアメリカとアラブ首長国連邦で複数の3Dプリント製建築物を試作している。Apis Corの機器や材料、プロセスを含む3Dプリンティング技術を活用することで、従来のコンクリートブロックや木造工法による住宅と比較して、最大30%の建築コストの削減ができ、飛躍的な工期の短縮が可能だという。
モンタナ州による承認は、3Dプリント製の壁を個別ケースとしてではなく、同州の建築基準法に準拠する必要がある全ての建築物への適用を可能とする点で、画期的なものだ。耐火性や省エネ性を含む建築材料に求められる規格を満たし、さらに健康や安全に関する規格にも準拠したと認められた。
アメリカでは住宅価格が高騰しており、モンタナ州も例外ではない。同州の官民による先進的な取り組みが、3Dプリント住宅の普及を促し、住宅の供給量を増やすことが期待される。